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2025/01/24 09:41 |
あまりにももったいない叶姉妹アニメ
 叶姉妹をモデルにしたアニメ『ABUNAI SISTERS KOKO&MIKA』が、1枚3万円? ということでネットで話題になっているようです。3万円といってもDVD-BOXではありません。ショートアニメが10本入ったDVDが単体で3万円です。

 これにはもちろん理由があって、DVDの価格は3万円からスタートしますが、1,501枚予約されれば25,000円、3,001枚予約されれば20,000円……と下がっていき、10,001枚売れると6,000円、最終的には90,001枚以上で2,500円となります。『ABUNAI SISTERS KOKO&MIKA』が『空の境界』ぐらい売れたら、2,500円でDVDが買えてしまうわけです。なかなか魅力的な妄想です。そして、価格だけでなく、特典も段階的に増えていきます。なんと500名までは「ABUNAIプライベートパーティにご招待」で本人に会える! エンドロールに出る! 1500名までは16cmフィギュアが! 2000名までは、“本人”とは決して書かれていない直筆サインがもらえるのです。こうした特典の積み増し方式は、ギャルゲーの店舗特典などで見かけるようになってきた方式ですね。

 どうしてこういう勘違いをしてしまったのか? 考えてみると、なんとなく勘違いのルートはわかります。おそらく、念頭にあるのはパフィをモデルにしたアニメ「Hi Hi Puffy Ami Yumi」の米国でのヒットでしょう。制作Production I.G、ファミ通の表紙でおなじみ松下進さんの起用など、作品として狙っているスタイリッシュさというか、いわゆる萌えアニメとの差別化を考えているのは理解できます。

●アニメは足し算ではない。
 ここにあるのは、足し算の発想です。アニメファンに定評と人気のあるProduction I.G、萌えオタ以外にアピールするキャラクターデザイン、叶姉妹の起用でアニメファン以外の女性層にもアピール…といった、ヒットレンジを広げていく発想です。しかし、この広く薄く、というのが致命的な間違いでした。現在、アニメはなかなか売れません。そんななかDVDを売るには、「広く商品の認知度を上げる」よりも「狙ったターゲット層に購入に踏み切らせるだけの魅力を高く積み増す」ことが求められるのです。「欲しい」という欲求が購入するラインを超えた段階で、初めて知名度は数字に繋がるのです。そのためには、足し合わせるのではなく、各要素が同じベクトルを向いた、相乗効果による掛け算が必要になるんですね。様々な要素が、別々のターゲット層をでたらめにさしているのでは、購入にいたるエネルギーは生まれません。

●リスクではなく、メリットを提供しなければ意味がない。
 特典追加商法から連想して、通販サイトのまとめ買い形式を取り込んだのは面白い着想だと思います。たくさん売れたら安く手に入る、特典も豪華に……売れればみんなが幸せ。売れる商材でやったら、面白いモデルケースになったかもしれません。しかし、それは、スタートラインに値頃感があれば、の話です。通販サイトで、ティッシュ5箱5000円からスタート! というまとめ買いを仕掛けても、誰も最初は手をあげないと思います。業者が大量買いをいれてから、みんな雪崩を打って飛びつくでしょうが。開始時点の価格が高すぎる場合、最初の購入者には大きなリスクがあります。当たり前です、3万円のDVD、誰が買いますか? その均衡をとるための机上のシステムが、この場合はイベント参加権です。最悪でも、イベント参加に3万円の価値があると思えば、最初の500人はすぐ埋まるわけです。ですから、この場合叶姉妹の商品価値が問題になります。

●叶姉妹はプラスなのか。
 結局のところ、このパーティー参加権が3万円の価値があるかが問題なわけです。こうした情報に最初にふれるであろうネットコアユーザーやアニメファンが、3万円を出して叶姉妹パーティに行きたいでしょうか? 残念ながら、NOだと思います。煌びやかな会場に叶姉妹が登場し、「あら美香さん、キモメンズの群れですわ」「お姉さま、消毒液をどうぞ」てなやりとりがされる中、僕らは会場の隅っこで「元を取らなきゃ」と薄いローストビーフをむさぼったりするわけです。「あら美香さん、あの生き物たちはそんなに飢えているのかしら……」「畜生のむれですねお姉さま」といった光景が想像されそもそもパーティーに着ていく服がない。はっきり申せば、「3万円もらってノンカメラなら行く」という人も多いように思います。

 そもそも叶姉妹は「抜群の知名度と人目をひく効果はあるが、人気の実態は誰にもわからない」という種類の方々です。ワイドショーにおいてこそ輝く人気なのですね。そうした、マスのメディアに特化した知名度というのは、ネットやオタク層といったマイナー・ニッチに向かう層では、むしろマイナスなのです。

 残念ながら、『ABUNAI SISTERS KOKO&MIKA』のここからの逆転は非常に厳しそうです。最初の500人にプレミアムをつけてしまった以上、上げ底もできません。少しでも元を取るのであれば、500人に近いラインでまずこの販売を締め切ってパーティーを行い、そのあと廉価版を特典なしで2,500円で販売するぐらいしか思いつきません。

●もったいない。
 しかし、本当にもったいない。Production I.Gが松下進さんの絵で、(主人公はノンタイの動物系キャラでいい)ちゃんとした子供向けのアニメを本気で作ったら、今のアニメ業界の流れに対するくさびのひとつにはなったと思います。多分TSUTAYAには並んだと思う。そして、画期的な販売方法が、大きなリスクを伴ったイメージになってしまったのもおしい。

 これがもし、「yukari & yui」だったり「nana & fukuenn」だったり「chihaya & haruka」だったり「kugyu & hinochama」だったり「takki- & tubasa」だったり「tezuka & atobe」だったり「kinki & kidz」だったり「sheryl & ranka」だったり「mamiko & ayachi-」だったりすれば、戦局は大きく変わっていたのではないでしょうか。

 今なら間に合います。副音声の日本語吹き替えを釘宮理恵さんと田村ゆかりさんにしましょう。で、パーティ二部制にして、第二部は声優をよびましょう。500人は瞬殺です。

 ちなみに肝心のアニメの内容ですが、キッズステーションで放送してるのが流れてきたら、一応見るかなって感じです。欧米で売れるといいですね。
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2009/02/04 13:11 | Comments(2) | TrackBack() | 雑記(アニメ系)
「マヤコは自分が参加しない腕相撲にさえも勝利するんだ…な、なにを言ってるかわからないと思うが」
お待たせしました、おとといの961のレポートが掲載されました。

主役と勝者は961プロ。でも中村さんと仁後さんの数々のミラクルも!? 見所満載のアイマス“961プロ”イベント徹底レポート!

アイマスCD新展開が大発表!千早&響が対決
961プロに変身!アイマスSP新アイテム情報!

下のはおまけ。千早いじりすぎました。
なお、実は本文でひとつだけ補足したいことがありまして、僕が仕様を把握しておらず、載せきれない画像があったみたいです。長谷川さんvs中村さんの腕相撲対決で仁後さんが勝利を収めたのは、

1.中村さんと長谷川さんが腕相撲対決。仁後ちゃんが、中村さんにマイクをさしだしてサポート
2.長谷川さんが腕力……というか中村さんが非力さを発揮してアッキー大勝利
3.向こう側に崩れ落ちる中村さん
4.意図せずマイクで受け止める仁後さん
5.ゴン!!
6.悶絶する中村さん、あわてる仁後さん、半笑いのガミP
7.中村さんは刻の涙を見て、会場にはマッチョチョンコールが

という流れでした。
わかりにくいといけないので補足でした。わりと細かいところまで頑張って書いたので、当日の空気が伝わると幸いです。

2009/01/19 16:19 | Comments(0) | TrackBack() | アイドルマスター
新説・765プロ=リザーブドックス
 まず最初に謝らないといけないのですが、先週「来週961に行った人感想を教えてください」とか書いたのですが、その後の調整の結果なぜか961の取材席にいました。なんかあれですいません。さて、先週の765回と昨日の961回を見たわけですが、驚いたのが両者の空気がかなり違ったことです。今井さんと下田さんのいた765回が、きっちりコントロールされた模範的なミニイベントだとすれば、長谷川さんと仁後さんが参加した961回は、時間管理はグダグダだったけど切れ味と爆発力がズバ抜けたミニイベントでした。個人的な“面白さ”では961プロ回に軍配でしたが、これは前週に進行ノウハウと参加者のテンションの蓄積が行われた結果だと思います。

 さて、この765プロと961プロのオーダーを変えながら組み合わせて連続してイベントを行なう形式。これを見ていてふと思い出した作品があります。90年代サッカー漫画の大傑作、『俺たちのフィールド』に登場するリザーブドックスです。1997年フランスワールドカップへの出場を悲願とする代表監督・鹿野周一は、ヴェルディの伊武剣輔率いるJリーグの若手の曲者軍団“リザーブドックス”をアジア・中東・欧州などを過密スケジュールで転戦させ、セリエAのACミランの一軍を引きずり出して完封するほどの最強の控えチームに育てあげました。その上で本来の日本A代表とリザーブドックスを食い合わせて双方のテンションを高め、最終的には「A代表のオフェンスとリザーブドックスのディフェンス」「リザーブドックスのオフェンスとA代表のディフェンス」といった変幻自在のオーダーを、キーマンの高杉和也を中心に自在に組み替え、チーム内抗争を煽ることで国際試合のプレッシャーをねじ伏せ、対戦相手の戦略を絞らせない……それが“リザーブドックス構想でした。

 先週の765プロ回をサッカーで喩えるなら、今井麻美さんというキャプテンシーのあるリベロが中盤の底でフィールド全体を統制し、歌唱スキルでは代表レベルの厳しさを持った961組、フリーマンの中村さん、中盤でアドリブの創造性をはっきりするファンタジスタ下田さんを自在に使いこなす印象のチームでした。

 一方、昨日の961回は長谷川・沼倉・原の攻撃的3トップで敵のDFを引きつけながら、時折二列目から中村さん、仁後さんが大砲のようなミドルシュートを打ち込んでくる超攻撃的チーム。中盤やディフェンスを統制する選手がいないため時折グダグダになるものの、攻守で汗をかく中村さん、意味もなく汗をかくガミPホワイト、「巻いて!」指示をすげー出すディレ1さんらが中盤を支えて試合を作っていたといってもいいでしょう。

 先週と今週では出演者の立ち位置やテンションは、それぞれに微妙に異なって感じられました。そんな中、双方のチームのキーマンになっていると感じられたのが中村さんでした。これまたPSPでのゲーム対決中でしたが、数人のカメラマンがステージスクリーンを撮りたがってひしめいている時に、中村さんがすーーーっとよけて後ろから対戦の様子をのぞきにいったんですね。ガミPにたしなめられてましたが、それがカメラ位置とかも視野に入っての動きに僕には感じられました。ゲームとかに集中してる時に、そういうのに目を配れる人って、実は意外と少ないです。個人的には中村さんの空間・カメラ認識力は格付け的にはB+ぐらいの評価ですね。ランクAになると横山智佐さんや富沢美智恵さんらベテラン舞台人、ランクSは堀江由衣さんなど横浜アリーナの全設置カメラを支配下におけるレベルです。……どうでもいいですか? どうでもいいですね。ともあれ、そういう視野の広さはMFの重大な資質だと思うのです。

 そうしたボールに対して突っ込んでいける環境もあって、961側では特に沼倉さんが、先週よりもいい意味で地が見え、伸び伸びと動いていたような気がします。あとはほんと進行的な問題なので、誰かタイムキープをしながら、話題を切ったり進行をするポジションの人が出てくれば、961かなり無敵じゃね? というのが個人的感想です。できれば、you-iでの仁後さんが化けたように、原さんあたりがキャラ的なお姉さんとしてざっくり切れるようになると、すごくバランスがよくなるように思います。

 歌的には、長谷川さんを加えた961の安定感は抜群。それぞれにニュアンスの違う低音×低音×低音の重ね、メインボーカルに長谷川さんが入ることで、より生きるコーラスでの沼倉さんのエロかっこよさ。2人のどちらとも違う確かな個性を発揮する原さん。こと、スタイリッシュなダンスナンバーというジャンルでは、961プロはアイマス最強のユニットと言えるでしょう。これに対抗するなら765からは無敵艦隊か、千早+あずさ+真ぐらいは連れてこないといけない気がします。

 という感じで、今回は雑感と765プロ=リザーブドックスという思いつきだけ書いてみました。正式なレポートがアップされましたら報告しますです。

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・最近の仕事
アニメージュ2月号
「ネットゲームは教育にイイ? ワルイ?」
「ルイズBEST」新曲収録直後、釘宮理恵インタビュー

2009/01/18 04:18 | Comments(1) | TrackBack() | アイドルマスター

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