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2025/01/31 11:58 |
アイマス曳船回想、TORICO最後の日。
 昨日の記事を読み返して、「で、曳船って何よ」と思うプロデューサーさんがたくさんいるだろうと思いいたったので、昔書いた記事(既に消えています)をネットの海からサルベージしておきます。画像は流石に諸々無理なので、テキストのみで雰囲気を掴んでもらえればと思います。

※2006年10月に掲載されたテキストです。文中のラジオなどは、現在聞くことは出来ません。単純な誤植を幾らか修正しています。文中斜体になっているのは、画像キャプションだったテキストです。

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卒業の落合さんから仁後さんに「ハイ、ターッチ!!」
アイドルマスター“ラジオdeアイマSHOW!”公開録音レポート
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 2007年1月25日にXbox 360版発売予定、アニメ化企画が進行中など盛り上がりを見せる『アイドルマスター』。今回、Webラジオ「ラジオdeアイマSHOW!」の公開録音が10月9日、曳舟文化センターで行なわれたので紹介しよう。公録の模様は10月19日配信分の番組で聞けるので、合わせて楽しんでほしい。会場はキャパが500人強ということで、抽選を潜り抜けたラッキーなプロデューサーたちが参加。事前に番組で「公録に参加するプロデューサーはプロデューサーっぽい格好で来て欲しい」とのリクエストがあったため、会場にはスーツ姿や業界人風の格好の人が多数。独特の雰囲気になっていた。会場ではイベントスタートの数時間前からTORICOの3人がデザインしたグッズが販売されていたが、中村繪里子さんデザインのTシャツがあっという間に完売したのに続き、今井麻美さんデザインのカードホルダー、落合祐里香さんデザインのステッカーも立て続けに完売。公録参加プロデューサーはやはり気合が違う。

会場の様子。最終的には500人強の会場ほぼ全てがぎっしりと埋まった。ロビーには幾つも花輪が出ていたほか、プレゼントボックスは3人の個性に合ったプレゼントでぎっしり! スーツ姿のプロデューサーが多く、かなり面白い雰囲気になっていた。スーツ姿Pに混ざって、ディレ1氏の姿もあった。

 そして15時ちょうど、ほぼ定刻通りにイベントはスタート。まずはXbox 360版のムービーを上映する。公録に来るほどのプロデューサーなら一度は見ているはず映像だが、大画面で見て改めてそのクオリティに驚く人も多かったようだ。そして公録開始前に、番組ディレクターが登場。イベント後に放送される第25回で明らかにされることとして、番組にもランクUPリミットがあったことが公開されたのだ。これには場内も騒然。『アイドルマスター』のランクアップリミットとは、規定活動週以内に条件を満たせなければ、そのユニットは活動を停止、解散を余儀なくされるというもの。つまり、公録で条件を達成できなければ、「ラジオdeアイマSHOW!」は放送終了だというのだ! 驚きの余韻が覚めやらぬ中、ステージには天海春香役の中村繪里子さん、如月千早役の今井麻美さん、萩原雪歩役の落合祐里香さんが登場! 番組恒例の「X-アイマスファイル」や、3人のコーナーを合体させた「穴を掘って埋まってしまえばいいんじゃない? くっ!」、ミニドラマのコーナーなど定番コーナーをこなしていく(こちらの模様はWebラジオでどうぞ!)。そして会場限定企画、プロデューサーオーディションへ。自分のイメージするプロデューサーの姿になって、その写真で誰が一番プロデューサーにふさわしいかを競ってしまおうというこの企画。今井さんも「4、5人くらいだろうから、サクラ仕込まなくていいの?」と冗談で言っていたほどの企画だが、蓋を開けてみると78名もの応募があったという大成功だった。作品内容は中村さんを狙い打った“札束の海に横たわるプロデューサー”や今井さんお気に入りの某モビルスーツそっくりのプロデューサー、三人のキャッチフレーズの「今、田舎村で落ち合おう」にちなんだ農作業姿など、個性的なものが揃っていた。

TORICOの3人がステージに登場すると、会場は大喝采! 天海春香役の中村繪里子さんは、すっかりお金ほしいキャラが定着?

如月千早役の今井麻美さん。イベント全体を通じて元気の塊のように暴れていた。

萩原雪歩役の落合祐里香さん。最後まで笑顔を絶やさず頑張っていた。

番組は普段の収録と同じように進行。ディレクターのキュー出しなどに会場プロデューサーも興味津々。

プロデューサーオーディションは、写真を手にとって一同大喜び! 確かにラジオ放送には向かない企画だ。

 ここで3人は一旦退場。着替え中の間、会場では特別にこの日来ていない出演者からのムービーが上映。「私も『ラジましょ』出たい!」と全身で訴える若林直美さん(秋月律子役)、「公録って、私がゲストの時のゲームのご褒美で実現したのに、なんで私いないの?」ともっともな不満の平田宏美さん(菊地真役)、興奮のあまり自己紹介とお決まりのポーズを忘れつつも落合さんのモノマネ(似てる!)を披露した下田麻美さん(双美亜美・真美役)などそれぞれらしさを発揮するも、一番の注目を集めていたのは小鳥さんこと滝田樹理さん(音無小鳥役)。“先輩の暴露話”という厳しいお題にテンパってしまったのか、「えっと、あの、その!」とめろめろ気味な様子に、会場は応援一色。ある意味一番おいしいところをさらっていったのだった。そしてステージには、ジャージ姿に着替えた3人が登場! 赤・青・白のトリコロールカラーで揃えたジャージ姿。特に今井さんは、「なんとかオリンピックの選手みたいだよね、中国とかの(中村さん)」と言われるほどの似合いっぷり。落合さんは運動靴が無かったということで、ジャージの裾をまくってブーツのままのちょっと微妙なコーディネート。では中村さんは……というと、自らデザイン、即完売の守銭奴Tシャツを中に着ての登場に拍手喝さいとなったのだった。3人とも運動着に着替えたのは理由あり、このあとは身体を張ったコーナーが続いたのだ。特に今井さんはジャージ姿になると活き活きしていて、華麗なハイキックや昇龍拳を(主に中村さんへのツッコミで)繰り出しまくっていた。

トリコカラーのジャージで登場した3人。落合さんはブーツなのでジャージの裾まくり姿。ん、中村さん、裾が長くないですか? じゃーん。これが中村画伯デザイン“かねがね金がねー”Tシャツだ!

 さて、ジャージ姿に着替えてのレッスンは、それぞれの得意なことを自己申告する「自己申告レッスン」。客席をどれだけ癒せるか? というテーマでそれぞれが得意レッスンを行ない、客席がバッド~パーフェクトを拍手で判定する趣向だ。まずは今井さんが、得意のつぼマッサージレッスンを披露。友達相手に練習してきたというマッサージで、まずは落合さんを普通に気持ちよく。続いての中村さん相手のマッサージは、お約束の足ツボマッサージ。「私をいい気分にしてくれたら気持ちよくしてあげる」という今井さんのフリに、最初はお世辞を並べていた中村さんだが、そこは芸人のサガ!? 余計な一言で今井さんの逆鱗に触れ、足ツボ悶絶地獄になっていた。

最初は「麻美ちゃん髪の毛さらさらで綺麗よね……」などとお世辞を並べていた中村さんだが? キラー今井モードに入ると悶絶! この角度だとわかりにくいが、今井さんは実にいい笑顔を浮かべていた。

 落合さんのレッスンは、笑顔レッスン。いつでもどんな時でも笑い続けるため、今井さんと中村さんにキツい一言を囁いてもらうという体を張った企画。「さっきは似合うって言ったけど……やっぱりジャージにブーツはないよゆりしー!」「ゆりしー、水道止まっちゃったよ?」などの言葉攻めに対しても、見事笑顔を守りきった落合さんだった。そしてラストは中村さん。ほかの2人がマッサージと笑顔と聞いて、なんとなく勢いで決めたお題はヨガ。決して得意なわけではなく、初心者向けの教本を見ながらの初体験となった。ところが中村さんは、ヨガの本を開いて2人に指導する役とのこと。落合さんは“フェロモンが出る妖精っぽくなる”ポーズ、今井さんには“バストアップ効果がある”ポーズをやらせて無事終了……したのだが、「私が夏に腰痛めて針打ってたの知ってたでしょ?」と怒る今井さんに、ブリッジ披露を命じられていた。レッスン結果は、パーフェクト、パーフェクト、そして中村さんはbad!! 罰ゲームの99%チョコレート食べに、流石の中村さんもダメージを受けていた様子だった。

中村さんが覗き込んで笑顔チェック。ちょっと泣き出しそうとか言ってはいけない。

今井さんのささやきにも負けない! ジャージ脱がせ行為に出た2人の暴挙にもめげず、落合さんは笑顔を守りきった。

中村さんの教本読み上げに従い、何故か落合さんがヨガ開始。

ヨガ2。今井さんが夏に痛めた腰が、腰が!

自分は何もしないのと言われ、渋々ブリッジに挑戦した中村さん、となぜかそこをくぐる今井さん。

中村さんはbadだと思う人ー! 結果を見たくない中村さんだが、会場のプロデューサーたちは空気を読むことに長けていた。あわれ、罰ゲームに……。

 そして今回は、イベント特別バージョンということで、レッスンと二本立てでオーディションも開催! 今回は、TORICOの「Shining Star☆」を、それぞれに引いたカードの感情に従って歌うという“感情オーディション”。ヤンキーを引き当てた中村さんをガンを飛ばしながらのべらんめぇ口調で、今井さんは「ばぶばぶ~♪」と赤ちゃん口調で、おばあちゃんを引き当てた落合さんは、今にもご臨終を迎えそうなおばあちゃん演技で「ShiningStar☆」を披露。それぞれの好演技で、揃ってパーフェクト! ランクA昇格となったのだった。そして、ちゃんとした「Shining Star☆」を聞きたいファンの声に答えて、フルサイズの「ShiningStar☆」を披露。初めての生披露なのはもちろん、後述する事情によって、ファンによっても出演者にとっても忘れがたい曲披露になった。

罰ゲームはカカオ99%のチョコレートをパクり。舞台袖にはけていった中村さんはしばらく戦闘不能に。

復活後、ヤンキー口調で見事歌いきった中村さん。

演技のままがっくりとへたりこむゆりしーおばあちゃん。

その後はもちろん、TORICO3人揃って正調の「Shining Star☆」を披露!

 オーディションでパーフェクトを出し、これで番組継続決定かという空気が漂っていたのだが、ディレクターからはなんと、目標達成失敗の指示書きが!? 会場が騒然とする中、「私が救います!」と声を上げたのが、落合さん。実は最初の番組予定が半年限りだったため、彼女が今回で番組を卒業というのがリミット達成不可の真相だったのだ。だが、続けて落合さんが口にしたのは、「立つ鳥後を“にご”さずということで……立つ鳥後を“にご”さずです」という言葉。強調した言った“にご”という言葉に会場がどよめく中、ステージにはシークレットゲストの仁後真耶子さん(高槻やよい役)が登場! パーソナリティを卒業する落合さんから仁後さんに引き継いでの番組リニューアルがアナウンスされると、会場は大歓声に包まれたのだった。「番組卒業しても、アイマスの仲間なのは一緒だから。もうひとつの番組(ラジオ大阪の「THEIDOLM@STER RADIO」)もゲスト来てね?」と言葉をかける今井さん、「落合ちゃんが作ったこれ(ステッカー)、大事にするよ」と抱擁をかわした中村さん、そして「ハイ、ターッチ!!」で番組を引き継いだ仁後さんから、落合さんに花束が贈られた。落合さんは「旅立ちにもいい旅立ちがあると思います。だから、こうして前向きに卒業できるのは嬉しいです」と前向きなコメント。笑顔レッスンの甲斐あって、最後まで明るい別れとなった。

「うっうー、(落合さんの呼んだ)UFOにさらわれて来ちゃいました!」と大歓声の中現れたのは高槻やよい役、仁後真耶子さん! 11月からパーソナリティを務めることに。

卒業する落合さんに花束を渡す3人。熱い抱擁をかわしつつも、涙は無しに明るく卒業 。

4人揃って「ラジオでアイマSHOW!!」の後、深々と一礼して公録は幕。イベント後はプレゼント抽選会なども。

番組新ロゴにはやよいの姿が。新番組となる第2期の内容にも期待したい。

 惜しまれる中、最後は全員揃って、「ラジオでアイマSHOW!!」で、公開録音は幕を閉じたのだった。イベント終了後、スクリーンではやよいが加わった新しい「ラジましょ」ロゴが公開されていた。この日の模様は10月19日から配信済だが、仁後さんを加えた新体制の「ラジオdeアイマSHOW!」第2期は11月2日から放送予定とのこと。さらにパワーアップした「ラジましょ」と、『アイドルマスター』の発展に期待したい。

[取材:中里キリ]

(C)窪岡俊之 (C)NBGI

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このイベントの最後ステージで、ゆりしーはいたずらっぽく、番組が新しくなったら、自分のことを忘れていいよ、と言いました。
そのあと、小さく小さく「やっぱり忘れないで……」と呟いたのが、忘れられません。

今井さん、中村さんの親友同士とはテンポの違う落合さんは、部分部分を切り取った動画なんかではしっくり来てないように見えるかもしれません。
でも、素敵なユニットだったんですよ、TORICO。
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2008/08/04 03:40 | Comments(4) | TrackBack() | アイドルマスター
雪歩の爪痕
 アイマスライブから一週間。セットリストを何度となく穴が開くほど見つめたのですが、落ち着いた状態でセットリストを見て、改めて気づいたことがあります。それは、このセットリストに雪歩がいないことです。

 落合さんがライブに不参加なんだから、雪歩がいないのは当然です。ただ、漠然といないんじゃないんですよ。徹底的に排除されている。オリジナルナンバーやマスターアーティスト曲が軒並み並んでいる中、雪歩の「First stage」だけがありません。雪歩の持ち歌とはいえ、今回のライブ、「蒼い鳥」や「魔法をかけて」といった本人マスト曲を除いては、メインの持ち歌以外の人が担当していることがほとんどです。本来、「First stage」を歌わない理由はないんですね。「Kosmos,Cosmos」は当然歌うはずがないですが、一部で取りざたされた「団結」の歌詞変えもありませんでしたし、一番不自然なのは「バレンタイン」と「メリー」を歌ったのに、直前に発売された「サニー」がセットリストに含まれていないことです。言うまでもなくサニーには雪歩も参加しています。「メリー」を伊織が入った3人で歌うのがOKなら、本来夏の歌「サニー」は当然入ってしかるべきです。

 「inferno」はどうなんだ、と思われるかもしれません。しかしあれは、「歌姫楽園」の延長だと考えています。「inferno」は楽曲としても良いですが、やはり真骨頂は中二テイストあふれる台詞パートから紡がれる世界観です。台詞をカットした今井さん・たかはしさんの組み合わせの「inferno」は、原曲よりも歌としての完成度は高いですが、逆に言えば巧いだけです。雪歩のかわりにあずささん、ではないんですね。あれは「今井・たかはしが歌うinferno」という別の作品なんです。セットリスト全体を眺めていると、「雪歩にかわりはいないし、用意するつもりもない」というディレ1さんの強いメッセージを感じるような気がします。

 それでも、ライブにはさまざまな形で雪歩と落合さんが、わざとらしいまでに「登場」します。ドラマの冒頭でビジュアル審査員から逃げていったことだけが描写されたり、パンフレットに小さく雪歩の紹介があったり。これをもってハブられた、と考える人もいるようですが、逆に言えば、当日落合さんが参加しない以上、別にパンフレットに記載する必要はないのです。でも、敢えて小ささが目立つ構成で掲載している。そして最たるものは、あのビデオメッセージですよ。雪歩ファンのお怒りを覚悟で書きますが、あのビデオメッセージ、なんの内容もなかったですよね? 前の曲を紹介して、雪歩で一言台詞を言って、小鳥さんにバトンタッチをするだけ。しかも次に登場した小鳥さんには幻聴扱いされています。ゆりしーを「参加」させたいのであれば、もっと客席やメンバーへのメッセージを語らせたり、そのムービーをアイマスガールズが一緒に見る、といった演出があったはずです。しかし実際はどうかといえば、ゆりしームービー+小鳥さんとビジュアル審査員のやりとりは、メンバーの衣装替えタイムでした。なんの意味もないつなぎだったんですね。

 これまた、雪歩ハブだ、ゆりしーいじめだと短絡に飛ぶ人がいそうですが、それなら、そもそもビデオメッセージなど用意する必要はなかったのです。僕は、これらはすべて、「今回のイベントには雪歩とゆりしーはいなかった」という、ディレ1からの再三に渡るメッセージだと思うのです。

 ゆりしーの欠席に関しては、事前に公式でスケジュールの都合として発表されていました。しかしそれは「大人の事情」であり、アイマスのステージ上の、スポットライトに照らされた物語ではありません。何もしなければ、ゆりしーのことを「忘れて」イベントは進行したでしょう。「意識しない、存在自体がない」のと「不在を前提にし、意識した欠席」はまったく違うものなのです。

 このことには、ふたつの意味と狙いがあると思います。それは、いずれ雪歩が次のオールスターなりに帰ってくるときの、取っ掛かりを残すこと。異分子ではなく、欠席していた仲間が帰ってくる形にするうえで、どんなささやかでも「関与していた事実」は重要です。美希の話でも書きましたが、思い入れや物語は人間関係から生まれます。最近、アイマスガールズとの絡みがないこと、他のフィールドでの仕事が多いことから、「雪歩=ゆりしー」ではあっても、「ゆりしー=アイマスガールズ」という糸は薄れつつあります。僕にとってのゆりしーとアイマスガールズとのつながりといえば、やはり第1期ラジましょであり、最後の公録でのゆりしーと今井さん、中村さんの抱擁であり、ゆりしーの「…やっぱり忘れないで…」という心の叫びです。あの日の思い出があるから繋がりを感じていられる。

 ただ、それを考えてゾッとしたんですよ。今のファン層を考えると、パシフィコに集まったファンの過半数は、おそらくラジましょの1期を知らない。そして、曳船の公録に居合わせた人は1割にも満たない。僕は正直、アイマスガールズとゆりしーにつながりを少し遠く感じて(悲しいことですが)いる部分がありますが、では、かつてのつながりを知らない人にとってはどうなのか。あるいは、悪意でゆがめられた動画を“歴史”と信じている人にとっては。そう考えると、“ゆりしーの不在”を明確に歴史に記したパシフィコはの演出は、意味があるのかな、と。

 そして、もうひとつの狙いは、パシフィコを完璧なライブにしないことではないか思うのです。この前のライブは、楽曲を聞かせるライブとしては、ひとつの到達点でした。クオリティ、楽曲の収録数共に、です。楽曲と発表を限界まで詰め込んだ3時間のセットリストには美しさすらあります。しかし、次以降のライブではこうはいかないでしょう。ライブで歌える楽曲数には上限があり、次回以降961プロが参戦すれば、どうしても「歌う楽曲の選別」という作業は必要になります。アイマスというコンテンツにもっとも油が乗った今のあの密度のライブ、今後のライブはすべて、パシフィコ3周年と比べられることになるでしょう。

 だからこそ、雪歩の不在の強調、なのです。仮に次のオールスターにゆりしーが参加できれば、あの時できなかった楽曲をリストに加えることで前にはできなかった何かが提示できますし、仮に次回がオールスターにならなくても、パシフィコを完全無欠なライブとして神格化することがなければ、相対的に違った何かを提示することはできるはずです。僕はよくドームドームと言っていますが、本当にアイマスがドーム公演をやることは実は望んでいません。だって、ドームをやったその先には、何もないじゃないですか。与太話としてなら、千早マジソンスクエアガーデンコンサートとかは言えますけども(笑)。

 「いつかはドームへ」を合言葉に進み続けることがアイマスの魅力なんであり、ゴールにたどり着く姿は、実は僕は見たくありません。それと同様に、「パシフィコは、決して完璧なライブではなかった」というくさびをうつため、そして「いつでも雪歩が帰ってくる場所を残すため」の、セットリストだったのではないかと、思った次第です。

2008/08/03 01:49 | Comments(8) | TrackBack() | アイドルマスター
愛しさとせつなさといさぎよさと。
 『アイドルマスター』菊地真役や『R.O.D -THE TV-』マギー役などで知られる平田宏美さんが、先日ご自身のブログ上で、一年前に結婚していたことを発表しました。結婚とは、妙齢の女性声優さんを応援する上では、非常に微妙なバランスの上にある問題です。アイドルを応援するような感覚の場合、そこには擬似恋愛的な要素もありますから、応援する相手が結婚をするというのはかなり衝撃度の高いニュースです。しかし一方、一人の女性の幸せというものを考えた場合、ちゃんとした人と結婚してくれれば安心できる部分もあります。声優業でおじいちゃんおばあちゃんになるまで食べていける人なんてごくわずかですから。

 そうしたジレンマは、応援する相手と過ごした時間が長くなる=年齢を重ねるほどに深くなります。まるで父や兄のような視点で、「この子は(往々にして年上だったりしますが)こんなことでちゃんと結婚して家庭をもてるんだろうか」と不安になりつつも、実際にそうなると大切なものが遠くに行ってしまったような失意におちいったりするわけです。ショックでファンをやめてしまったり、アンチになってしまったりもあるでしょう。

 そんな中、平田さんの発表は、潔いものでした。8月1日という日付に、平田さんの人柄がよく現れているのではないでしょうか。ライブ前に発表していたら、当日の平田さんには良くも悪くも注目が集まって、一躍ときの人になっていたはずです。5000人のおめでとうを聞きたかった気持ちはありますが、それは『アイドルマスター』のライブとして考えるのなら、やはり雑音になりえます。当日は出演者の一人として全力を尽くし、ファンにはほかの事を考えずに存分に楽しんでもらう。そしてライブが終わったら、折り目正しく報告する。そのあたりに平田さんが考えるスジを通すということがはっきり見えるような気がします。

 騒ぎにならないことを考えるなら、もう少しおとなしい発表のタイミングもあったはずです。しかし、アイマス3周年ライブが終わった週の、ブログやアイマス界隈の注目度が高まっているタイミングでの発表は、少しでも多くのファンに、少しでも早く直接伝えたい、という想いが見て取れます。そこにあるのは、自分のファンに対する信頼です。

 実際、発表に対する平田さんのファンの反応は傍で見ていると青春してやがるぜ、という感じで、反応に差はあれど、多くは大好きな姉や妹が嫁ぐのを見守るような、おだやかなものでした。場合によってはファンとの関係が壊れることもある重大な発表を「よかったね」とやせ我慢交じりに祝えるファンと、そのファンを信頼して公表した平田さんの関係は、とても幸せなものだと思うのです。

 ……でもだからといって、声優さんはどんどん結婚してどんどん発表すればいいよ、とは思わないんですが。僕はやはりまだ「みんなだってゆかりが三嶋さんと結婚するより、奈々ちゃんと結婚してほしいと思ってるよ」発言に対し「ちょっと由子さんはどうしたの由子さんは」とファンからツッコむような、ゆるーいモラトリアムにもう少しだけ浸っていたいようです。

2008/08/01 23:59 | Comments(1) | TrackBack() | アイドルマスター

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