今週のヤンマガの編集者による巻末コメントが、炎上の兆しです。内容を引用してみると、
とのこと。今回は、取材者側の立場でこの意見について書いてみたいと思います。
まず、「キャラクターについて声優がのうのうと語る」とこの編集氏が批判している作品ですが、ぼやかしたままでは話がしにくいのではっきり書くと、僕には『xxxholic』の大原さやかさんや福山潤さんを指しているとしか思えません。
キャラクターについて深く考え、自分の言葉で語れる声優さん…と考えると、自分の場合大原さやかさんと沢城みゆきさんが思い浮かびます。今現在進行形で動いているヤンマガの作品といえば『xxxholic』ぐらいです。そして「TVカメラの前で」作品について語る機会があるような作品は非常に限られます。ちなみに、僕が一番最近に聞いたxxxholicキャストのコメントはこんな感じです。
新シリーズは侑子や四月一日たち4人の絡みが満載!TAFの大トリを飾ったTVアニメ『xxxHOLiC◆継』スペシャルステージ[animate.tv]
とりわけ大原さやかさんが、キャラクターに対する強い愛着と理解を持って演じているのを感じてもらえればと思います。正直、あの文章からは『xxxholic』しか連想しませんでしたし、他の作品のことなら、看板作品に誤爆するような書き方はより性質が悪いと言わざるをえません。
さて。「TVで声優がキャラクターについて語ること」をもって「声優が調子に乗っている」という批判がナンセンスなことは、番組の作り手の視点で考えてもらえればすぐにわかると思います。その番組では、フリートーク中に声優がとうとうと語りだしたのでしょうか? おそらく、「演じられたキャラクターについて教えてください」「1年ぶりに演じていかがでしたか?」「自分に似ているところは?」といった、定形の質問が行われ、それに対するレスポンスとして回答しているはずです。
そうした質問を投げかけられた場合、声優さんの反応は大きく分けて2通りです。アフレコ前に渡された設定資料の内容を語り、スタッフにされた指示の内容を語る。もうひとつは、原作や台本を読み込んだり、以前出演した際の経験から、自分なりに消化したキャラクター像を語るか、です。取材者の視点から見て、面白いのは圧倒的に後者であり、大原さんや沢城さん、キャラクター解釈という意味では釘宮さんとかもですね、のことは役者・表現者として尊敬していますし、聞き手としても楽しみにしているのです。
キャラクターについて愛着を持つ、理解しようとする、原作を読み込む、そして語ることが仕事の場で自分の言葉で語る…という、僕の価値観では「仕事に取り組む姿勢として、100%肯定される」ことを、「調子に乗るな」と捉える人が制作サイドの中にいるということは、ちょっとした衝撃であり、ショックでした。僕は、「キャラクターを演じるために原作全部読みました、愛着を持って演じてて今では分身みたいに思っています」と言われて嫌な気がする原作者は、よほど偏屈な変わり者だけだと思っていましたから。
また、巻末コメントで、今この内容を書く理由がまた、理解できません。今後、ヤンマガ作品でキャラクターを演じる声優は、キャラについて答えるときに一瞬躊躇するでしょうし、正直聞き手も困惑します。声優が好きな人なら、ヤンマガになんとなくネガティブな印象を持つことも多いでしょう。小学館問題で漫画編集者が負の取り上げられ方をすることが多い時期に、なぜこのような文章を書くのか。狙いはなんなのか。
いくら考えてもわからないのが、どうにも居心地が悪いのです。散々考えた挙句、結局「何も考えないで書いたんだろうな」という結論に着地したんですが。
声優さんたちは、仕事の一環として、パブリシティのためにキャラクターについて語っています。そして、原作やキャラクターを大事にする気持ちがあるからこそ、キャラクターについて考え、悩み、忙しい中原作にも触れるのです。少なくとも、アニメ制作の現場において、原作の編集者と声優のどちらがキャラクターに近いところにいるか、視聴者・読者は誰の言葉を求めているかを考えると、件の発言は、少なくとも「紙面においておおっぴらにプロが書くべき言葉ではない」のではないか? という結論にしかなりませんでした。
おまけ 「もうやめて、冠茂のHPはもう0よ! 叩くなら俺を叩け!」という男気ツンデレなら理解はできます。
昨今の声優の一部は調子に乗ってる、と個人的に思う。 演じたキャラの心根や背景についてTVなどで原作者さながらのうのうと語りすぎる。誰とは言わないが「お前が作ったキャラじゃないだろ」と思うくらいシレッと語る。なんつーか「役をいただいている」という気持ちを素で持ってる人だけが売れてほしいなぁ。 |
とのこと。今回は、取材者側の立場でこの意見について書いてみたいと思います。
まず、「キャラクターについて声優がのうのうと語る」とこの編集氏が批判している作品ですが、ぼやかしたままでは話がしにくいのではっきり書くと、僕には『xxxholic』の大原さやかさんや福山潤さんを指しているとしか思えません。
キャラクターについて深く考え、自分の言葉で語れる声優さん…と考えると、自分の場合大原さやかさんと沢城みゆきさんが思い浮かびます。今現在進行形で動いているヤンマガの作品といえば『xxxholic』ぐらいです。そして「TVカメラの前で」作品について語る機会があるような作品は非常に限られます。ちなみに、僕が一番最近に聞いたxxxholicキャストのコメントはこんな感じです。
新シリーズは侑子や四月一日たち4人の絡みが満載!TAFの大トリを飾ったTVアニメ『xxxHOLiC◆継』スペシャルステージ[animate.tv]
とりわけ大原さやかさんが、キャラクターに対する強い愛着と理解を持って演じているのを感じてもらえればと思います。正直、あの文章からは『xxxholic』しか連想しませんでしたし、他の作品のことなら、看板作品に誤爆するような書き方はより性質が悪いと言わざるをえません。
さて。「TVで声優がキャラクターについて語ること」をもって「声優が調子に乗っている」という批判がナンセンスなことは、番組の作り手の視点で考えてもらえればすぐにわかると思います。その番組では、フリートーク中に声優がとうとうと語りだしたのでしょうか? おそらく、「演じられたキャラクターについて教えてください」「1年ぶりに演じていかがでしたか?」「自分に似ているところは?」といった、定形の質問が行われ、それに対するレスポンスとして回答しているはずです。
そうした質問を投げかけられた場合、声優さんの反応は大きく分けて2通りです。アフレコ前に渡された設定資料の内容を語り、スタッフにされた指示の内容を語る。もうひとつは、原作や台本を読み込んだり、以前出演した際の経験から、自分なりに消化したキャラクター像を語るか、です。取材者の視点から見て、面白いのは圧倒的に後者であり、大原さんや沢城さん、キャラクター解釈という意味では釘宮さんとかもですね、のことは役者・表現者として尊敬していますし、聞き手としても楽しみにしているのです。
キャラクターについて愛着を持つ、理解しようとする、原作を読み込む、そして語ることが仕事の場で自分の言葉で語る…という、僕の価値観では「仕事に取り組む姿勢として、100%肯定される」ことを、「調子に乗るな」と捉える人が制作サイドの中にいるということは、ちょっとした衝撃であり、ショックでした。僕は、「キャラクターを演じるために原作全部読みました、愛着を持って演じてて今では分身みたいに思っています」と言われて嫌な気がする原作者は、よほど偏屈な変わり者だけだと思っていましたから。
また、巻末コメントで、今この内容を書く理由がまた、理解できません。今後、ヤンマガ作品でキャラクターを演じる声優は、キャラについて答えるときに一瞬躊躇するでしょうし、正直聞き手も困惑します。声優が好きな人なら、ヤンマガになんとなくネガティブな印象を持つことも多いでしょう。小学館問題で漫画編集者が負の取り上げられ方をすることが多い時期に、なぜこのような文章を書くのか。狙いはなんなのか。
いくら考えてもわからないのが、どうにも居心地が悪いのです。散々考えた挙句、結局「何も考えないで書いたんだろうな」という結論に着地したんですが。
声優さんたちは、仕事の一環として、パブリシティのためにキャラクターについて語っています。そして、原作やキャラクターを大事にする気持ちがあるからこそ、キャラクターについて考え、悩み、忙しい中原作にも触れるのです。少なくとも、アニメ制作の現場において、原作の編集者と声優のどちらがキャラクターに近いところにいるか、視聴者・読者は誰の言葉を求めているかを考えると、件の発言は、少なくとも「紙面においておおっぴらにプロが書くべき言葉ではない」のではないか? という結論にしかなりませんでした。
おまけ 「もうやめて、冠茂のHPはもう0よ! 叩くなら俺を叩け!」という男気ツンデレなら理解はできます。
PR
本日19時にアニメロサマーライブのアイマスガールズ出演の詳細が正式発表されました。実は19時ぴったりにアニメロのアーティストページを更新したら、一番上にあった「THE IDOLM@STER」のアーティスト名が消えたので訴訟か? 暴動か? と思ったんですが、単に五十音表記が「中村繪里子・今井麻美・たかはし智秋・下田麻美from THE IDOLM@STER」の「な」行に移動しただけでした。公式のテキストを引用すると、
とのこと。フルメンバーを期待していたのですが、やはり外せない「A.I.E.N」コンビ、「IDOLM@STER RADI」枠で智秋さん、とかち枠で下田さん…と、ある意味順当、予想の範囲内ではあります。個人的には、これに長谷川さんが加わると非常に収まりのいい5人になるし、メドレーをやるなら「GO MY WAY」は突破力のある楽曲だと思うので、すこし残念。4人だと、微妙に下田さんが立ち位置難しいというか。長谷川さん、滝田さんとかと並んでる時は、眼に見えてリラックスしてるんですよね。さいたまスーパーアリーナはひとつの到達点であると同時に、若い世代にとっては最高の経験を積める舞台だと思うので、ここは長谷川さんにも来て欲しかったです。滝田さんは…テンパイヤーof THE IDOLM@STERの称号を持つ彼女に2万人の前で歌えってのはちょっと酷な気もするので^^; 呼び込みに小鳥さんボイスを使ってもらえたら嬉しいなと思います。
大満足とはいかなかった発表ですが、ごく個人的かつ利己的な感想としては、メドレーでも今井さんの蒼い鳥が聴ける可能性があるのでは…という期待が高まってます。さいたまスーパーアリーナで蒼い鳥独唱が聞けるなら死んでもいいぐらいに思ってるのは僕個人の主観の要素が強いのですが、それでも千早の「蒼い鳥」は、初見の人に対しては最も突破力のある曲だと信じています。
あとはどういう選曲で来るでしょうかねー。できればフルサイズの「THE IDOLM@STER」を聞きたいです。あとはメドレー8曲ぐらい詰め込めるなら、「I Want」「蒼い鳥」「GO MY WAY」「隣に…」「エージェント夜を往く」「スタ→トスタ→」あたりがほしいところです。定番曲を押さえるなら「太陽のジェラシー」は当然入ると思うんですが、スロースターターの中村先生は歌の立ち上がりがちょっと怖いので、歌いだしの難しい「太陽のジェラシー」は避けた方がいい気も…アイマスファン的にはそれもまたよし、なんですけどね。アウェイですから、今回は。ニコニコつながりで「アイレデッスカ!?」もありえると思うんですが、あの辺は外よりも内を向いた曲なので。
僕もなんとかぴあのプレリザーブでチケット取れたので、当日の様子はレポ予定です。取材が入った時は…うーん、その時はその時で^^;
アイマス人気キャラクター声優4名が満を持してアニサマ初登場! 初登場記念におなじみの楽曲をたっぷり披露する予定です! アイマスのプロデューサーさんも、未来のプロデューサーも、要注目です。 出演は(写真左より)中村繪里子(天海春香役)、今井麻美(如月千早役)、たかはし智秋(三浦あずさ役)、下田麻美(双海亜美/真美役)の予定。 |
とのこと。フルメンバーを期待していたのですが、やはり外せない「A.I.E.N」コンビ、「IDOLM@STER RADI」枠で智秋さん、とかち枠で下田さん…と、ある意味順当、予想の範囲内ではあります。個人的には、これに長谷川さんが加わると非常に収まりのいい5人になるし、メドレーをやるなら「GO MY WAY」は突破力のある楽曲だと思うので、すこし残念。4人だと、微妙に下田さんが立ち位置難しいというか。長谷川さん、滝田さんとかと並んでる時は、眼に見えてリラックスしてるんですよね。さいたまスーパーアリーナはひとつの到達点であると同時に、若い世代にとっては最高の経験を積める舞台だと思うので、ここは長谷川さんにも来て欲しかったです。滝田さんは…テンパイヤーof THE IDOLM@STERの称号を持つ彼女に2万人の前で歌えってのはちょっと酷な気もするので^^; 呼び込みに小鳥さんボイスを使ってもらえたら嬉しいなと思います。
大満足とはいかなかった発表ですが、ごく個人的かつ利己的な感想としては、メドレーでも今井さんの蒼い鳥が聴ける可能性があるのでは…という期待が高まってます。さいたまスーパーアリーナで蒼い鳥独唱が聞けるなら死んでもいいぐらいに思ってるのは僕個人の主観の要素が強いのですが、それでも千早の「蒼い鳥」は、初見の人に対しては最も突破力のある曲だと信じています。
あとはどういう選曲で来るでしょうかねー。できればフルサイズの「THE IDOLM@STER」を聞きたいです。あとはメドレー8曲ぐらい詰め込めるなら、「I Want」「蒼い鳥」「GO MY WAY」「隣に…」「エージェント夜を往く」「スタ→トスタ→」あたりがほしいところです。定番曲を押さえるなら「太陽のジェラシー」は当然入ると思うんですが、スロースターターの中村先生は歌の立ち上がりがちょっと怖いので、歌いだしの難しい「太陽のジェラシー」は避けた方がいい気も…アイマスファン的にはそれもまたよし、なんですけどね。アウェイですから、今回は。ニコニコつながりで「アイレデッスカ!?」もありえると思うんですが、あの辺は外よりも内を向いた曲なので。
僕もなんとかぴあのプレリザーブでチケット取れたので、当日の様子はレポ予定です。取材が入った時は…うーん、その時はその時で^^;
8月30日、31日にさいたまスーパーアリーナで開催されるアニメロサマーライブ。31日の隠し球として、「THE IDOLM@STER」の登場が突如告知されました。詳細の正式発表は、6月17日19時に改めて行なわれるとのことです。
最初にこの話を聞いたときの感想は、嬉しさ1/3、足元見られてるなぁという悔しさ1/3、担当者を賞賛する気持ち1/3、といった感じでした。コロムビアミュージックがライブを主に仕切るアイマスは、アニメロとあまり近いイメージがなかったので、正直驚きました。むしろイメージ的に近いのはランティス色の強いアニメ版『ゼノグラシア』ですが、このタイミングこの発表で「実は『ゼノグラシア』でーす」と後から言ったらいろんなところが燃え上がるのが必至なので、流石にそれはないでしょう。定冠詞「THE」がつくアイマスは一応ゲーム版を指すことが通例ですしね。
なぜ足元見られてる感があるかと言えば、既に先行発売分の販売は終了済で、会場は国内最大級のSAA。今から必死でチケットを手に入れても、正規のルートでは米粒大な席になるのが必死だからです。しかし、うまいなと思うのは、僕らアイマスファンは、彼女たちが過ごした時間を共有することに価値を見出す人種だということです。東京ドームに迫るランクA・Bライブに相当するステージに、アイマスガールズたちが立つ。2万人クラスの観客の前に彼女たちが現れるその瞬間を共有したい、という気持ちだけでチケットが買える(買わずにいられない)人種なんですね。ツアーを日常的に行なうアーティストと比べて、ひとつひとつのイベント、ライブに対する切実さが高いんです。
だから、たとえ客席の条件が多少悪くても買わずにいられない。正直僕は、「田村ゆかり、水樹奈々、茅原実里、栗林みなーみ」と並んでる30日の方が個人的には本命だな…と思っていたので、とんだカウンターパンチを食らいました。しかし、発表のタイミングは、ドライに考えるならここしかないでしょう。アイマスは、たとえば初動の段階で水樹奈々さんよりチケットを売れるポジションではありません。しかし、良席が掃けた時点で、追加の1000、2000を売りたいときに、これ以上のアーティストはなかなかいないと思います。パシフィコ横浜ライブのチケットが取れなかった難民が発生しているタイミングであることを鑑みても、この発表は悪魔のようにツボを押さえたものと言えるでしょう。
また、この発表にはもうひとつ大きな効果があります。「アニメロは、追加発表で何を出してくるかわからない」──こうした認識が浸透すれば、来年以降の開催の際、とりあえずチケット抑えておくか、という需要がかなり発生するでしょう。このあたり含めても、うまいな、と思わざるをえません。
ひとつだけ付け加えるなら、アイマスファンは、苦笑しながらも自発的に踊らされて、チケットを買うでしょう。しかし、アイマスファンは、ほんとーにアイマスだけが目当てでチケットを買っちゃう人種なんです。そして、「アイマスファンはアイマスのステージが終わったら帰った」なんて悪評がコンテンツに向けられるのが嫌だからという理由で、ちゃんと他のステージも真剣に見る人たちです。アイマス馬鹿なんです。なので、せめてアイマスファンも来てよかったなぁと思えるように、できればフルメンバーに近い形で2、3曲歌わせてあげるぐらいの敬意ある扱いをしてもらえると、大変嬉しく思います。
「THE IDOLM@STER」ってアーティスト名が妙に気になるんですけどね。スクリーンにアイマスキャラクターが登場してライブとかだったらどうしよう(笑)。そういう路線だと、「追加アーティストはVOCALOIDオールスターです」なんてのもありだな。それは冗談として、あらゆる肩透かしに備えつつも……正直嬉しいよりもピンとこないんですよね、SAA。まだ自分の中でパシフィコ横浜すらも実感としてはとらえられてないので。
最初にこの話を聞いたときの感想は、嬉しさ1/3、足元見られてるなぁという悔しさ1/3、担当者を賞賛する気持ち1/3、といった感じでした。コロムビアミュージックがライブを主に仕切るアイマスは、アニメロとあまり近いイメージがなかったので、正直驚きました。むしろイメージ的に近いのはランティス色の強いアニメ版『ゼノグラシア』ですが、このタイミングこの発表で「実は『ゼノグラシア』でーす」と後から言ったらいろんなところが燃え上がるのが必至なので、流石にそれはないでしょう。定冠詞「THE」がつくアイマスは一応ゲーム版を指すことが通例ですしね。
なぜ足元見られてる感があるかと言えば、既に先行発売分の販売は終了済で、会場は国内最大級のSAA。今から必死でチケットを手に入れても、正規のルートでは米粒大な席になるのが必死だからです。しかし、うまいなと思うのは、僕らアイマスファンは、彼女たちが過ごした時間を共有することに価値を見出す人種だということです。東京ドームに迫るランクA・Bライブに相当するステージに、アイマスガールズたちが立つ。2万人クラスの観客の前に彼女たちが現れるその瞬間を共有したい、という気持ちだけでチケットが買える(買わずにいられない)人種なんですね。ツアーを日常的に行なうアーティストと比べて、ひとつひとつのイベント、ライブに対する切実さが高いんです。
だから、たとえ客席の条件が多少悪くても買わずにいられない。正直僕は、「田村ゆかり、水樹奈々、茅原実里、栗林みなーみ」と並んでる30日の方が個人的には本命だな…と思っていたので、とんだカウンターパンチを食らいました。しかし、発表のタイミングは、ドライに考えるならここしかないでしょう。アイマスは、たとえば初動の段階で水樹奈々さんよりチケットを売れるポジションではありません。しかし、良席が掃けた時点で、追加の1000、2000を売りたいときに、これ以上のアーティストはなかなかいないと思います。パシフィコ横浜ライブのチケットが取れなかった難民が発生しているタイミングであることを鑑みても、この発表は悪魔のようにツボを押さえたものと言えるでしょう。
また、この発表にはもうひとつ大きな効果があります。「アニメロは、追加発表で何を出してくるかわからない」──こうした認識が浸透すれば、来年以降の開催の際、とりあえずチケット抑えておくか、という需要がかなり発生するでしょう。このあたり含めても、うまいな、と思わざるをえません。
ひとつだけ付け加えるなら、アイマスファンは、苦笑しながらも自発的に踊らされて、チケットを買うでしょう。しかし、アイマスファンは、ほんとーにアイマスだけが目当てでチケットを買っちゃう人種なんです。そして、「アイマスファンはアイマスのステージが終わったら帰った」なんて悪評がコンテンツに向けられるのが嫌だからという理由で、ちゃんと他のステージも真剣に見る人たちです。アイマス馬鹿なんです。なので、せめてアイマスファンも来てよかったなぁと思えるように、できればフルメンバーに近い形で2、3曲歌わせてあげるぐらいの敬意ある扱いをしてもらえると、大変嬉しく思います。
「THE IDOLM@STER」ってアーティスト名が妙に気になるんですけどね。スクリーンにアイマスキャラクターが登場してライブとかだったらどうしよう(笑)。そういう路線だと、「追加アーティストはVOCALOIDオールスターです」なんてのもありだな。それは冗談として、あらゆる肩透かしに備えつつも……正直嬉しいよりもピンとこないんですよね、SAA。まだ自分の中でパシフィコ横浜すらも実感としてはとらえられてないので。