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2017/11/19 22:50 |
『咲-Saki-』個人戦の話~デジタルは本質的につまらない
近代麻雀漫画生活さんにのっかって僕も書いてみます。

 アニメ版『咲-Saki-』のオリジナル展開である個人戦が相当に賛否両論なみたいです。僕が今夏一番面白いアニメと信じて疑わない『咲-Saki-』ですが、原作準拠の県大会が終了後、オリジナルキャラの南浦を交えての個人戦がスタート。少ない話数の中で、久部長と福路キャプテンの邂逅に力を入れて描いたり、おまけ漫画で描かれた龍門淵のファミレス話が映像化されたりと非常に力が入ったものでした。部長対キャプテンの牌譜とか、相当力入ってますよ、アレ。

 そんななか、個人戦で勝ち残ったのは、風越の福路キャプテン、清澄の和、咲でした。主人公組が個人戦で残ったことに対する批判が結構出ているようですが、ただこれ、制作スタッフが凹む種類の批判ではないような気がするんです。『咲-Saki-』は清澄だけでなく、ライバルの各校にも魅力的なキャラクターが配され、それぞれに負けられない理由がある……ということを丹念に描いた作品です。その作品で、主人公格の2人が勝ち進んだことに対する不満が(ライバル校の選手の活躍を見たい気持ちや、彼女たちへの思い入れから)吹き出すというのは、制作側からすればガッツポーズな出来事だと思います。

 ただ、制作側は何考えてんだ! という意見に関しては、仮に第2期があって全国個人戦が行われる場合、咲と和がいなくてどうすんのよ、と。『咲-Saki-』の大きな軸として咲と和の親友であり、ライバルであり、の関係があるのは動かせるはずもなく。今回の個人戦はあくまでも番外の「夢の対決」だからできたことであり、ストーリーの本筋として動かすなら和、咲が直接相対する可能性は必須の要素でしょう。ドライな言い方になりますが、ライバル校的な存在は全国編でも大勢登場するのです。

●デジタルは物語的にはつまらない
 さて、その上で。大半の人はそんなことはわかった上で、それでも文句を言わずにいられないのだと思います。不満の根としてあるのは、“デジタルは闘牌描写の上ではつまらない”という動かしがたい事実だと思います。

 オカルトvsデジタル。それはここ10年の麻雀漫画の中で繰り返し語られてきたテーマです(それ以前の麻雀漫画(劇画)は、ほぼオカルトが支配する世界)。片山まさゆき先生という天才が切り開いてきたテーマと言ってもいいかもしれません。

 いわゆるオカルトとは、数字だけでははかれない「流れ」などを重視する打ち方、考え方です。代表的なものには、安藤満プロの“亜空間殺法”や、土田浩翔プロの“トイツ理論”、金子正輝プロの“牌流定石”などがあります。ミスター麻雀・小島武夫プロの魅せる麻雀なども広義のオカルトでしょう。これに対し、確率論に基づいた打ち方をデジタルと言います。素人が一から麻雀を勉強するなら、明らかにデジタルが優れています。が、エンターテイメントとして、お金を取るプロや、コミックなどのエンターテイメントの世界では、オカルトには、デジタルにはない色気と魅力があります。

 それは、エンターテイメントには読み手の想像力との勝負が求められるからです。デジタルの正着と次善の手の差は、往々にして1%、2%の確率の世界です。そこに物語的なカタルシスはほとんどありません。思いも寄らぬ奇手から大逆転を掴み取る、というのはオカルトの特権なのです。それでもこの10年は、デジタルは優勢でした。それは、麻雀界というものが、あまりにもオカルトに偏っていたからです。そうした、「既存の価値観に対するレジスタンス」として、アンチオカルトのデジタルのは魅力と価値があったのです。

 しかし、デジタリストたちの啓蒙により、デジタル的な考えは当たり前の基本になりました。そうなると、読者にもわかる当たり前の手筋を追うだけのデジタルは、物語的には面白みに欠ける存在になってしまったのです。そうなると、デジタルの存在価値は「無駄のなさから来る強さ」しかありません。だからこそ、和には“全中チャンピオン”という肩書きが必要だったんですね。デジタルの強者にネット麻雀で箔をつけるのも最近の流行です。龍門淵透華が一番輝いたのが、デジタルを外れて目立ちに行って、倍満をツモった場面だったのは皮肉な話です。

 さて、こうしたデジタルの陳腐化が進んだとき、本格闘牌漫画の旗手である片山まさゆき先生がどうしたか。「デジタル」と「スーパーデジタル」、早いだけの似非デジタルと期待値を厳密に追求するデジタルといった、デジタル内部での対立構造による尖鋭化をはかったのです。そうした流れで出てきた発展形のひとつに、『牌賊オカルティ』理積港のアイススキャンがあります。彼の能力は、デジタルな読みをさらに突き詰めた結果、相手の手牌や山牌などを絞り込んでいき、卓上を支配する……そう、福路キャプテンの魔眼そのものです。デジタルを物語になる必殺技として昇華させた福路キャプテンがいる中で、「普通のデジタル」の和が一枠を占めるのは、闘牌的に見るとちょっと物足りないんですね。

 ですが目立った必殺技がないからこそ、和は勝ち続けることでしか存在価値を証明できません。また、和はキャラクターとしての魅力はありますし、前述の通り『咲-Saki-』が咲と和の物語であるのは動かない前提です。ですから僕の考えとしては、決勝進出は和しかなく、福路キャプテンの全国進出がスタッフからの精一杯のファンサービスだと思うのです。

 ただ、“もう1人”に、ステルスモモでも池田でもかじゅ先輩でも部長でもなく、福路キャプテンが残ったことに、個人的には物語的な可能性を感じます。化け物たちに囲まれて、その奇跡を目の当たりにしながら「そんなオカルトありえません」だけで通すのでは、和というキャラクターはそこで止まってしまう気がするのです。全国で、デジタルが戦うための何か。デジタルを超えたデジタルの可能性…そうした“何か”を和に伝えうるキャラクターが(デジタルの発展系である)福路キャプテンではないかと思うのです。2期があるのか、今後の『咲-Saki-』の展開がどうなるのかはわかりませんが、今は接点のない福路キャプテン×原村和にも個人的には注目です。
 
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2009/09/16 18:41 | Comments(1) | TrackBack(0) | 麻雀
MJ4先行稼動行って来ました。
 昨日12月19日、セガのネットワーク対戦麻雀“MJ4”が先行稼動を開始しました。MJ2~MJ3時代は今は無きegでプレイ日記を連載させてもらっていたこともあり、思い入れの深いこのゲーム。早速プレイして参りました。先行稼動が現時点で確認されているのは、

・北海道内のかなりの数の店舗
・新宿のCLUB SEGA新宿西口
・秋葉原のCLUB SEGA秋葉原
・飯田橋のツインスタージオスセガ

 のようです。飯田橋に関しては裏は取っていないのですが、今日の営業時間中ずっとMJ3の混雑度ステータスが“不明”になっており、これは先行稼動店舗と共通する特徴なので間違いないと思います。僕が訪問したのは秋葉原のCLUB SEGA。ほとんどの筐体は調整中でしたが、4台だけプレイ可能な状態だったので遊んできました。


▲デザイン自体はセガのプライベートショーで見たんですが

 MJ4カードは、今までと同じく300円で販売していました。筐体デザインと共通のイメージで、今までに比べると“麻雀牌”が目立たなくなってますね。個人的には新カードのほうがセンスはいい(EVOのカードは、字牌や一索がえらくバランスが悪く見えた)ような気がします。引継ぎは、普段のカード引継ぎと同じく、2枚重ねで突っ込むだけです。ただし、一度引き継ぐとそのカードでMJ3はプレイできないので要注意です。引き継いだ場合、10級~十段は、そのまま引継ぎ。上級段位の引継ぎ条件は、こんな感じ。

■上級段位
引継ぎ前 → 引継ぎ後(幻球数)
強者 → 強者 8
賢者 → 賢者 16
王者 → 賢者 24
覇者 → 王者 32
闘王 → 王者 40
賢王 → 覇者 48
帝王 → 覇者 56
覇王 → 覇者 64
伏龍 → 闘王 8
昇龍 → 賢王 16
飛龍 → 賢王 24
神龍 → 帝王 32
風神 → 帝王 40
雷神 → 覇王 48
鬼神 → 覇王 56
魔神 → 覇王 64
雀狼 → 伏龍 6
雀将 → 伏龍 12
雀帝 → 伏龍 18
雀聖 → 伏龍 24
最強位 → 昇龍 30

 と、今まで者クラス・王クラスでは30個集めれば上のクラスにいけていたのが、ほぼ倍の球が必要な形になるようです。どうやら1試合で変動する球が増える(着順差の分だけ球が動くという説あり)らしいのですが、球戦は未遭遇です。僕は昇龍ギリギリで止めていたチキンなので、引継ぎ時点では「賢王16個」になります。ちなみにこの時点で確認したのですが、賢王から帝王への昇格条件は、「34個」、賢王から闘王への降格ラインは「14個」でした。ん、微妙な数字。プレートを見ると、王クラスは10個刻みみたいですね。キリのいい数字+2個で昇格、-2個で降格って感じなのかなーと思います。予想ですが、者クラス・王クラスは66個でクラスチェンジじゃないかと。


▲王クラスのディスクは10個単位で埋まっていくみたい。役満演出は今までと一緒(七福神)

 さて、システム面ですが、本日遊んでみたのは「三人打ちリーグ」と「東風Aリーグ」。気になる三人打ちですが、公式戦の北は、ドラではありませんでした! 役牌ですらないオタ風扱いです。このため、展開は随分おとなしくなり、交通事故のような倍満はぐっと減りました。三麻特有の「牌種の少なさゆえの、相手の待ち牌の絞込み」などにも戦術的な意味合いがでてきます。今までS闘技場で勢いに任せて連勝とトビを繰り返していた人は、苦戦するかもしれません。リーグの昇格・降格などは四麻と同様で、一般リーグは4試合1セットで、2セット8試合が規定試合数です。

 このあと東風Aにも行ったんですが、今日の時点ではライセンスはありません。少なくとも今週中は無いでしょう。個人的には、来週月曜から早速やってほしいところです。マッチングに関しては、三人打ちリーグはかなり過疎ってます。最初の1プレイなど、対面をトバしてコンティニューしたほど。おかげでMJ4初役満はCPU戦でした。当面は、三人打ちリーグはCPU1入りを覚悟しましょう。それから、回線切断がかなりブチブチに多いです。ストレス溜まるので、ぜひ改善してほしいですね。東風・半荘はMJ3とマッチングされるので問題ありません。

 あとは……うーん、画面がきれいになって字がすごく読みやすくなった、二鳴きが指定できるなど細かいパワーアップ、実況担当の声が女性に、三麻の得点計算がシンプルになった…といったところでしょうか。牌山に関しては、裏3を3回見た、というあたりで察してもらえれば。少なくとも、MJ3プレイヤーと同卓する期間は、今までと同様のアルゴリズムでツモ牌決めてると思います。

 トータルすると、現時点で急いで引き継ぐ必要は無いかな。僕はまったりと、東風・半荘・三麻をA1に上げつつトレーニングモードでも触ってみようかと。

2007/12/20 01:35 | Comments(1) | TrackBack(1) | 麻雀
麻雀ライターから見た「咲」3巻
 このblogではアニメ・ゲーム関係を中心に取り上げてますが、実は麻雀関係でも幾らか物を書かせてもらってまして。「咲」に関して、「けしからん、ちちももももけしからん!」という言説は界隈にあふれていると思うので、麻雀、そして麻雀漫画としての「咲」について書きたいと思います。

 未読の方のためにさらっと説明しておくと、「咲」は月刊ヤングガンガンで連載中の美少女闘牌漫画です。animate.tvで植田佳奈様と小清水亜美さんがWebラジオを放送中といえば、ぴんと来る人もいるのではないでしょうか。気弱だけどすさまじい素質を秘めた少女咲を中心に、少女たちが本格的な闘牌をくりひろげる作品です。そこはそれヤングガンガンで小林立先生ですから、登場するキャラクターの8割はちちが腫れているか、絶対領域装備のロリっ子。麻雀がわからずとも、かわいい女の子が好きな人なら楽しめると思います。むしろ、牌の並べ方はわかるよ、ぐらいの人が一番素直に楽しめるかもしれません。

 先日発売されたばかりの3巻では、前巻に引き続き地方大会の団体戦の模様が描かれています。3巻でフューチャーされるのは、咲が所属する清澄高校の次鋒・染谷まこと、中堅の部長・竹井久。眼鏡を外すと、過去の対戦から類似の局面のデータを拾い出して対応できる染谷はわりとわかりやすいのですが、問題は部長。5面張に受けずに悪形の高目に受けると、なぜか対戦相手が吸い込まれるように放銃してしまうというスタイルです。部長の実戦譜を引用すると、

 ここから部長は八筒を切ってドラ単騎のリーチを打ちます。普通に考えると、ドラ一萬を切って三筒-六筒-九筒-五筒-八筒待ちの方が上がれそうな気がします。期待値というものを数字にするのは難しいのですが、一番わかりやすく、待ち枚数と得点から目安の数字を出してみましょう。

八筒切り 一萬単騎
ロンアガりすると……リーチドラドラ 5200点
3枚×5200=15600

一萬切り 三筒-六筒-九筒-五筒-八筒待ち 5種17枚
三筒-六筒-九筒でロンアガりすると……リーチ 1300点
五筒-八筒でロンアガりすると……リーチ 1600点
11枚×1300+6枚×1600=23900

 単純に比べると、5面張の方が良さそうですね。実際の局面では、ドラ一萬が2枚河に捨てられていたので、実際には竹井部長の待ちは残りドラ1枚。期待値はさらに1/3になります。これはデジタルな和ちゃんからすれば、確かに理解不能な打牌でしょう。次の局面はもっとあからさまで、

 ここから7ソウ切りをして、中ぶくれのドラ単騎のダマテンに受けます。数字にすると、

7ソウ切り 5ピン単騎
ロンアガりすると……タンヤオ三色ドラ3(親) 18000点
2枚×18000点=36000

黒5ピン切り 2ソウ-5ソウ-8ソウ-4ソウ-7ソウ待ち 5種18枚
2ソウ-5ソウ-8ソウでロンあがりすると……タンピンドラ2 12000点
4ソウでロンアガりすると……タンヤオドラ2 7700点
7ソウでロンアガりすると……タンヤオ三色ドラ2 12000点
11枚×12000+3枚×7700点+3枚×12000点=191100

 と、圧倒的な悪形であることがわかります。この後にも同種の場面は描かれますが、共通した要素は以下のようになります。

・常に悪形を選択するが、相手から河の様子を見ると、とても安全に見える
・悪形ではあるが、常に最高目、高打点の手
・三色など手役を好む

などです。

●実は正統的麻雀漫画の系譜?
 実は最初の牌図の手牌で、竹井部長はドラそばの二萬を先に切ってしまい、ドラを使いにくい形に受け、実際にドラをツモってしまう……というミスをしています。しかし、ここで竹井部長は「ここでツモった一萬には意味がある」と考えています。つまり、単に高さや待ちを考えただけでなく、手順やツモ牌に、意味を読み取ろうとしています。これは、“牌流定石”といった考え方に近い思考で、麻雀漫画の定番です。こうした思考は麻雀漫画によく登場し、たとえば『天牌』では学生麻雀大会で東大生の“よっちん”が、不調時に手順が前後した1ソウツモに意味を見いだし、ドラを切り出してまで1ソウ単騎に受け、ハネ満に仕上げていました。実はこの時のよっちんも竹井部長も単騎牌が裏ドラになっているのも共通です。

 しかし、こうしたツモ牌に意味を見出す打ち方は、本来「自分と山牌」の関係を重視したものです。このツモ牌の流れなら、次はこうツモるはず、という流れですね。しかし、竹井部長の場合は、吸い寄せられるように対戦相手が振り込んでしまう……つまり、相手の振込みを前提にしているのですね。実はこのタイプにも先輩がいて、片山まさゆき先生の闘牌漫画の名作中の名作、『ノーマーク爆牌党』の爆岡がこのタイプ。彼の場合は、対戦相手の手牌の多くを悪魔めいた読みで見切り、一見悪形に見える形で直撃に取り、叩き潰すタイプでした。竹井部長と爆岡の共通点は、“ツモ山を信用していないこと”。どんな好形でも、他家の手牌に使われてしまったり、王牌(最後に14枚残す牌)に残ってしまえば、アガることはできません。しかし、他家から出てくることが“わかって”いるのなら、最強の打点の手で当たり牌を待ち受けるのが当然の一手なのです。

 現時点では、竹井部長が常人の域を超えた読みの使い手なのか、ある種の凶運の持ち主なのかは、はっきりとはわかりませんが。しかし、見せ場の中で2回も“この牌が来た意味は…”というニュアンスの思考があるので、牌の流れを重視し、対戦相手から零れ落ちる当たり牌に対する嗅覚が異常に発達した、“野生”タイプの打ち手な可能性が高い気がします。『兎』に登場しそうな感じですね。幸運の権化や完全デジタルの打ち手が多い作品なので、異質な麻雀を打つ竹井部長、他家を操ることに特化した風越の福路キャプテンなど、幸運でも牌理でもない技術で魅せる打ち手の登場は、厚みが出ていいですね。

 ちなみに、竹井部長がカラテンリーチで他家の放銃を防いた場面がありますが、これも『ノーマーク爆牌党』で、鉄壁くんが「不条理なリーチで爆岡の爆牌リーチを不発にさせ」たり「空テンリーチで爆牌の読みのピントをずらす」といったシーンが重なります。これはもちろん、パクリだ! なんて話ではなく、荒唐無稽な麻雀の美少女漫画と思われがちな「咲」ですが、実のところものすごーくスタンダードで正統派の、麻雀漫画の系譜に繋がる作品なんじゃないかな、と。

 麻雀ファンが主要読者層ではない雑誌で、美少女を隠れ蓑に至極普通の麻雀漫画を連載する……というのは、実はかなりすごいことなのじゃないかな、と思うのです。ああもう、それにしてものどっちの寝姿はけしからんです。

近代麻雀漫画生活さんにコミックスでの修正点に関する指摘が。深い。

2007/11/25 23:57 | Comments(2) | TrackBack(0) | 麻雀

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