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2024/12/04 03:12 |
個人ブログのメディア化の行方~メディアのターゲットゾーン
 最近個人ニュースサイト界隈で大きなインパクトがあった出来事のひとつに、『ペンギン娘はぁと』で個人サイトがプレスとして招待されるという出来事がありました。以前より、ブロガー枠での、レポート掲載を前提とした招待という話はありましたが、プレスとしての招待、撮影フリー、事前チェックなしでの掲載許可、といったところにまで踏み込んだのは驚きでした。なんせ、アニメ誌や報道媒体による取材より大幅に条件を緩和した特例処置ですから。

 このような「個人サイトの厚遇」という現象は、ニコニコアニメチャンネルがweb上の新媒体であることと無縁ではありません。アニメやゲームには、その特性や格、ターゲットをどこに置くかに合わせた、適正な広報・宣伝媒体というものがあります。紙媒体の場合、基本的に発行部数が大きい雑誌ほど発言力が大きく、影響力も大きいため、メーカーとしても広告出稿や第一報の提供などで、その媒体を厚遇する傾向があります。そのため、発行部数の多い専門誌には、注目作の特集などが早い時点で掲載され、より栄えるわけです。とはいえ、トップランナー以外のメーカー・メディアもおまんまを食べる必要があります。そこで自然に、ゆるやかではありますが、住み分けができるんですね。ちょっとニッチな作品を扱う媒体にニッチなメーカーが協力し、ニッチなユーザーが買っていくという市場が出来上がるわけです。

 Web媒体の場合はちょっと話が違っていて、PV数=影響力なのは変わりませんが、PV数がでかいからといって、厚遇されるとは限りません。雑誌ほどシステムが確立していないため、広告や情報を取れるかは、営業や編集個人の力量に依存する部分が大きくなります。PV数はいいのに、営業力がないため数字を出せない、てこともあるんですね。Webは無料のメディアなので、広告バナーを取ってきて、それをユーザーに踏んでもらわなければ、PV数がいくらあってもお金が発生しないんです。

 さてさて、話を戻しましょう。そうやってメーカーと媒体の持ちつ持たれつの関係で、媒体の色分けができると、ちょっと困る人々がいます。そう、新規参入の人々です。特に『ペンギン娘』の場合は、web配信で、しかも放送媒体のニコニコアニメチャンネルもこれが船出と言う初めて尽くし。既存のアニメ誌等に大きな扱いを期待するには難しいですし、そもそもペーパーメディアやテレビ局に頼らずともweb上で完結できるのがこの作品の強みのはず。Web上での注目度を上げ、アクセス数を稼ぎたい、既存のメディアに頼らずに…と考えていくと、個人サイトがクローズアップされるのは、ある意味必然だったのです。

 今後個人サイトが影響力を増していくかには、まだ疑問が残ります。それは信頼度の問題があるからです。商業メディアでは、プロのライターがテキストを書き、編集がチェックし、事務所やメーカーがチェックし、アップされる内容を、媒体を発行する企業が保障するという形式をとっています。チェックシステムと、責任の所在が明確なんですね。今回は個人ブロガーさんたちの「個人ブログ代表としてプレス参加する」という高い意識に支えられてうまくいきました。しかしそのうち、なにかやらかした人が出てきた場合に、どうなるかです。Web上での肩書き以外、必ずしも素性が定かでない人がタレントさんの周りを出入りして、写真を撮っていくというのは、結構怖いことです。

 今後、個人サイトの取材参加というものの落としどころがどのへんになるかは分かりませんが、その基盤が今作られていることは間違いありません。取材にきませんか、というオファーが来た人は、自分が個人サイトというものの代表として見られていることを認識して、意識を高く持ってもらえるといいな、そして結果として、もう少し広く開かれた環境ができると楽しくなるな、と思います。やはり、商業の枠を離れないと書けない、個人の色や思い入れを反映したテキストというものもあるはずですから。
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2008/04/30 20:44 | Comments(0) | TrackBack() | ライター・テキスト

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