声優・下田麻美さんと、演劇集団キャラメルボックス所属の温井摩耶さんによる朗読劇「ファンレターズ」に行ってきました。舞台の詳細は先日の日記を参照してください。第二夜~第六夜もベースとなるストーリーは同じだと思うので、あまりネタバレにならない範囲で簡単なレポートを。
会場のプラザソル川崎は総合ショッピングモールで、飲食店なんかが並んでる吹き抜けのビルの一角に劇場が、という風情。どこかに似てるなーと思ったら、飯塚雅弓さんのライブがあった横浜ランドマークホールとかに似てる気がします。19時半の開演時間のほぼ定刻通りに開演。開演前には下田さんによる影ナレ諸注意があったのですが、最後に名乗るまで本人である確信が持てず。やはり、下田さんは声色の幅が広いですね。開演直前には、長谷川明子さんがささっと来場。気づいている人も多かったですが、変に声かけたりする人もいなくてよかったです。
さて、舞台の雑感はと言いますと。このブログの読者の人のほとんどが知りたいのは下田さんの演技だと思うのですが、まず書いておきたいのが温井摩耶さんの芝居。すげぇ。キャラメルと言えば、かなり感情を込めた激しい芝居の印象があるだけに、立ち上がりの淡々としたトーンに少し拍子抜けした感じ。しかしそこから山場に向けて、ひたひたと忍び寄ってくるような「狂気」には、素で寒気を感じました。やはり、キャラメルで主演するような役者が200人キャパの劇場に出てくると凄みがあります。実際、終演後のトークで、ちょっと面白いお姉さんだなーという素顔を垣間見ていなければ、観客の大半は「あの女、素でちょっとヤバい」という印象を抱いて帰ったんじゃないでしょうか。それぐらい、鬼気迫るものだったのです。
温井さんの演技について先に強調したかったのは、それだけの存在感がある芝居に対して、当日、当年とって22歳の我らが下田麻美の芝居が、一歩も負けていなかった、ということを伝えたかったからなのです。追い詰められていく夢野愛の心情を、時に重く、時にコミカルに。メールを出す相手によって、メールとFAX、本のあとがき用の原稿など、状況によって変わる声の色味の変化など、本当に多彩な色を見せてくれました。あとは若さの特権として、作中の夢野は超かわいかった(笑)。ファンレターズの本はキャラメルボックスの大森美紀子さんなんかも演じてますけど、大森さんとかだとあのかわいさは出ないですね(笑)。
重たいばかりでなく、途中に絶妙なタイミングでくすり、と笑わされるポイントも散りばめられており、声の芝居の奥の深さを感じさせてくれました。総合点として、あそこまで食らいついた下田さんは本当に素晴らしかったし、温井摩耶さんも「声優と女優」の女優を名乗るにふさわしい、素晴らしい芝居でした。終わったあとちょっと気になったのは、常時不動で、おそろしいまでに安定していた温井さんの水がほとんど減ってなかったこと。下田さんは緊張もあってか結構頻繁に水分補給してたので(もちろんぜんぜんかまわないというか当然なんですよ)、この辺は1ヶ月以上のロングラン公演で交代なしのメインをはる役者はタフネスが違うな、と。温井さんみたいな役者とサシのガチンコ芝居をやったのは、下田さんにとっても財産になるんじゃないかな、と思いました。あの舞台は上がるほうも怖いと思う。
朗読劇ということで客席は本当に行儀のいい、気持ちのいい観劇態度だったんですが、終演後、サプライズで下田さんの誕生日祝いが始まると、ああ、こいつら声オタだとはっきりわかりました(笑)。ハッピーバースデイの歌に関しては打ち合わせがなかったので、ちょっと探り探り「…ディア あさぽーん」と歌ったのですが、結局みんな“あさぽん”でしたね。こういう時のオタクの息の合い方、空気の読み方は好きだなぁ。誕生日祝いと告知のときの温井さんは、ちょっと個性的な普通のお姉さんで、あの一幕で舞台の「魔法」が解けた感じでよかったです。「今度の舞台には、久しぶりにうちの劇団所属の芸能人の上川隆也が出るのでチケット取るの大変だと思うんですが、平日の夜は意外と開いてるんで!」とか、トーク回しがキャラメルの人っぽくてちょっとにやりとしました。
ところが本当のサプライズはこのあとに。誕生日の感謝をファンに伝えたいということで、出口で下田さんがファン一人一人と握手をして、プレゼントを手渡しする場が設けられたのです。握手会とかって、本当に人間がでます。一人一人と一生懸命に話して、両手でぎゅっと握りしめて。流れ作業ではなく、一人一人に感謝して、いい思い出をもって帰ってほしい、そんな気持ちが伝わってきました。ほんとにいい子なんですよ。プレゼントをいっぱいもらっていた下田さんですが、本当にプレゼントをもらったのは俺らだよ、てのが来場者の正直な感想だと思います。あと、並んだファンには、下田麻美印のデコチョコが1個ずつプレゼントされました。
僕は後ろのほうだったので、早めに終わって、やっぱり会場にいたどん♪さんたちと食事に言ったんですが、散々飲み食いしてだべって、23時前に会場の様子を覗いたら、ちょうど終わっておつかれさまな雰囲気でした……本当に、おつかれさまです。
『ファンレターズ』は、まだ第二夜から第六夜まで残っています。本当によくできた面白いお芝居なので、機会があればぜひ覗いてみてください。個人的には初日以外では、
第二夜 2月 5日(火) 佐久間紅美(ミディアルタエンターテイメントワークス)
高瀬郁子(BQMAP)
第四夜 2月19日(火) 長沢美樹(アトミックモンキー)
安藤聖(おはガール)
あたりがお芝居としては見応えがあるんじゃないかと思います。ごひいきの声優さんがいる人はもちろんその日に。どの日もチケットはまだ残ってるようですが、リピーターが考えられるクオリティだったので、早めに動いたほうがよいかもしれません。
会場のプラザソル川崎は総合ショッピングモールで、飲食店なんかが並んでる吹き抜けのビルの一角に劇場が、という風情。どこかに似てるなーと思ったら、飯塚雅弓さんのライブがあった横浜ランドマークホールとかに似てる気がします。19時半の開演時間のほぼ定刻通りに開演。開演前には下田さんによる影ナレ諸注意があったのですが、最後に名乗るまで本人である確信が持てず。やはり、下田さんは声色の幅が広いですね。開演直前には、長谷川明子さんがささっと来場。気づいている人も多かったですが、変に声かけたりする人もいなくてよかったです。
さて、舞台の雑感はと言いますと。このブログの読者の人のほとんどが知りたいのは下田さんの演技だと思うのですが、まず書いておきたいのが温井摩耶さんの芝居。すげぇ。キャラメルと言えば、かなり感情を込めた激しい芝居の印象があるだけに、立ち上がりの淡々としたトーンに少し拍子抜けした感じ。しかしそこから山場に向けて、ひたひたと忍び寄ってくるような「狂気」には、素で寒気を感じました。やはり、キャラメルで主演するような役者が200人キャパの劇場に出てくると凄みがあります。実際、終演後のトークで、ちょっと面白いお姉さんだなーという素顔を垣間見ていなければ、観客の大半は「あの女、素でちょっとヤバい」という印象を抱いて帰ったんじゃないでしょうか。それぐらい、鬼気迫るものだったのです。
温井さんの演技について先に強調したかったのは、それだけの存在感がある芝居に対して、当日、当年とって22歳の我らが下田麻美の芝居が、一歩も負けていなかった、ということを伝えたかったからなのです。追い詰められていく夢野愛の心情を、時に重く、時にコミカルに。メールを出す相手によって、メールとFAX、本のあとがき用の原稿など、状況によって変わる声の色味の変化など、本当に多彩な色を見せてくれました。あとは若さの特権として、作中の夢野は超かわいかった(笑)。ファンレターズの本はキャラメルボックスの大森美紀子さんなんかも演じてますけど、大森さんとかだとあのかわいさは出ないですね(笑)。
重たいばかりでなく、途中に絶妙なタイミングでくすり、と笑わされるポイントも散りばめられており、声の芝居の奥の深さを感じさせてくれました。総合点として、あそこまで食らいついた下田さんは本当に素晴らしかったし、温井摩耶さんも「声優と女優」の女優を名乗るにふさわしい、素晴らしい芝居でした。終わったあとちょっと気になったのは、常時不動で、おそろしいまでに安定していた温井さんの水がほとんど減ってなかったこと。下田さんは緊張もあってか結構頻繁に水分補給してたので(もちろんぜんぜんかまわないというか当然なんですよ)、この辺は1ヶ月以上のロングラン公演で交代なしのメインをはる役者はタフネスが違うな、と。温井さんみたいな役者とサシのガチンコ芝居をやったのは、下田さんにとっても財産になるんじゃないかな、と思いました。あの舞台は上がるほうも怖いと思う。
朗読劇ということで客席は本当に行儀のいい、気持ちのいい観劇態度だったんですが、終演後、サプライズで下田さんの誕生日祝いが始まると、ああ、こいつら声オタだとはっきりわかりました(笑)。ハッピーバースデイの歌に関しては打ち合わせがなかったので、ちょっと探り探り「…ディア あさぽーん」と歌ったのですが、結局みんな“あさぽん”でしたね。こういう時のオタクの息の合い方、空気の読み方は好きだなぁ。誕生日祝いと告知のときの温井さんは、ちょっと個性的な普通のお姉さんで、あの一幕で舞台の「魔法」が解けた感じでよかったです。「今度の舞台には、久しぶりにうちの劇団所属の芸能人の上川隆也が出るのでチケット取るの大変だと思うんですが、平日の夜は意外と開いてるんで!」とか、トーク回しがキャラメルの人っぽくてちょっとにやりとしました。
ところが本当のサプライズはこのあとに。誕生日の感謝をファンに伝えたいということで、出口で下田さんがファン一人一人と握手をして、プレゼントを手渡しする場が設けられたのです。握手会とかって、本当に人間がでます。一人一人と一生懸命に話して、両手でぎゅっと握りしめて。流れ作業ではなく、一人一人に感謝して、いい思い出をもって帰ってほしい、そんな気持ちが伝わってきました。ほんとにいい子なんですよ。プレゼントをいっぱいもらっていた下田さんですが、本当にプレゼントをもらったのは俺らだよ、てのが来場者の正直な感想だと思います。あと、並んだファンには、下田麻美印のデコチョコが1個ずつプレゼントされました。
僕は後ろのほうだったので、早めに終わって、やっぱり会場にいたどん♪さんたちと食事に言ったんですが、散々飲み食いしてだべって、23時前に会場の様子を覗いたら、ちょうど終わっておつかれさまな雰囲気でした……本当に、おつかれさまです。
『ファンレターズ』は、まだ第二夜から第六夜まで残っています。本当によくできた面白いお芝居なので、機会があればぜひ覗いてみてください。個人的には初日以外では、
第二夜 2月 5日(火) 佐久間紅美(ミディアルタエンターテイメントワークス)
高瀬郁子(BQMAP)
第四夜 2月19日(火) 長沢美樹(アトミックモンキー)
安藤聖(おはガール)
あたりがお芝居としては見応えがあるんじゃないかと思います。ごひいきの声優さんがいる人はもちろんその日に。どの日もチケットはまだ残ってるようですが、リピーターが考えられるクオリティだったので、早めに動いたほうがよいかもしれません。
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