少し前から大きな発表があることを予告していたゆりしーこと落合祐里香さんですが、先ほどその詳細が本人のblog上で発表されました。内容は5月28日にコロムビアレコードからメジャーデビューし、しかも12ヶ月連続でシングルをリリースするとのこと! 発売元はブロー・ウィンド・レコードというところで、コロムビアの販路で流通するようです。
コロムビアから……という内容で、ひとつパズルがしっくり来たのは、2月のアイドルマスターのプレス向け発表会で、ちょっとした違和感があった件についてです。発表会のコロムビアからの発表で、アイマスのMASTER ARTISTシリーズの売り上げデータの紹介があったんですが、トータル枚数は出すのに、個々の枚数に関しては「全員のオリコン順位だけをズラリと並べる」という、ちょっと変な出し方をしてたのが魚の小骨だったんです。トータルの枚数を出しているなら、相対的に変動するオリコンの中位層の順位より、実売枚数を添えて出したほうがわかりやすいですから。その時の発表では、ほぼ全員が20位~30位ぐらいに納まってる中、落合さん演じる雪歩は17位で、一見して雪歩が目立つリストでした。実売を添えると千早やあずささん、小鳥さん+ALL STARが上に来るランキングになります。こういうプレゼン用のデータで一部の数字を出したり、出さなかったりするのは大抵意味があるものですが、コロムビアさんが当日いない落合さんをプッシュする理由がないので、気のせいかと思ってたのです。が、今回発表になって、ああそういうことか、と納得しました(この発表会でプレスにアピールする意図があったのかはわかりませんが、少なくとも社内プレゼンなどで資料を用意した誰かにはその意図があったんじゃないかなと)。
最初に落合さんのblogでこの話を見たときは、歓喜よりも唖然、という感じでした。作品を母体としたキャラクターソングのケースでは、『らき☆すた』や『涼宮ハルヒの憂鬱』といった京アニ作品、『魔法先生ネギま』の主題歌6ヶ月連続リリース、そして落合さん自身も参加している『アイドルマスター』キャラクターソングシリーズという前例があります。しかし、声優個人の12ヶ月連続CD、それも個人名義では大きな販売実績がない状態でのメジャーデビューで、という形は前代未聞です。確かに最近連続リリースで注目度を高め、集中したプロモーションを打つ形は流行っています。牧野由衣さんの4ヶ月連続リリース、平野綾さんの3ヶ月連続リリースなどがそうですが、牧野さんは『ひだまりスケッチブック』や『ツバサ』、『ARIA』などの強力なタイアップを抱えていましたし、平野さんは文化放送とドワンゴの全面的なバックアップの元、圧倒的なパブリシティ攻勢をかけていました。
翻って12ヶ月連続となると……記憶にないですね。一番近いのは倖田來未さんの12週間連続リリースでしょうか。B'zやGLOBEなんかも大量投入したことがありますが、これらは過去作のリメイク。完全新作だとラルクが昔、3枚同時リリースをしたことがありましたっけ。リリース期間が概ねワンシーズン3ヶ月以内なのは偶然ではありません。連続リリースは、注目度を高めると同時に、短期間にパブリシティを集中して投入することで、より効率的な販促を行うことが目的なのです。さらにサイクルの早い音楽業界において、風向きを読める未来はせいぜいそれぐらい、ということも大きいでしょう。正直この仕掛けをして、確実にうまく行く、と声優業界で言えるのは、水樹奈々さんただ一人ではないかと思います。水樹さんの場合、シングル1枚1枚にエネルギーを集中して確実なタイアップを取り、残りのエネルギーはアルバムに回したほうが効率がよいので、こういう作戦はとらないと思いますが。
つまり、今回の落合さんの挑戦は、声優業界のみならず、より範囲を広げてもほとんど前例のない、計算の成り立たない博打なのです。失敗すれば暴挙と言われるでしょうし、成功すれば起死回生の一打として大きな話題になるでしょう。正直、僕は今回の戦略を、100%肯定的には受け取れません。だって売れるかどうかわかんないのに、序盤の売り上げが伸び悩んでも、体制の立て直しはきかないんですよ。そして失敗しても、毎月発売日はやってくる。そしてメジャー販路に乗る以上、売上実績として数字が残ってしまうんです。これ、序盤の展開が思わしくなかったら、誰よりも歌い手が潰れちゃいますよ。
ただ、そのあたりのリスクを十分にわかった上で、敢えてリスキーな選択をしたのだと思います。発表前夜までの落合さんのblogからは、その怖さ、震えが伝わってきますから。わかった上で一歩を踏み出した落合さんの勇気は、応援してあげたいとやっぱり思います。
この手の連続企画の勝負はやっぱり、最初の3枚ですね。最初の1枚は、結構手に取ってもらえるでしょう。問題は2枚目以降。3枚目まで買ってくれたお客さんは、結構惰性で最後まで買ってくれるものです。オタクにはコレクション衝動がありますからね。それに、序盤の売れ行きがまずいと、その後のプレス枚数が絞られてしまいます。ですから、2枚目や3枚目には強力なタイアップがほしいのですが……発売元的には厳しいかもしれません。「Kosmos, Cosmos」の別アレンジをゆりしーセルフカバーとかできれば、アイマス層を引き込むカンフル剤には最高だと思うのですが。
見ている側まで胃が痛くなるような話ですが、ファンとしてはどんな楽曲が聴けるのか楽しみですし、どういう戦略、結果になるのか楽しみな部分もあります。いずれにしても、しばらく注目していきたいと思います。
コロムビアから……という内容で、ひとつパズルがしっくり来たのは、2月のアイドルマスターのプレス向け発表会で、ちょっとした違和感があった件についてです。発表会のコロムビアからの発表で、アイマスのMASTER ARTISTシリーズの売り上げデータの紹介があったんですが、トータル枚数は出すのに、個々の枚数に関しては「全員のオリコン順位だけをズラリと並べる」という、ちょっと変な出し方をしてたのが魚の小骨だったんです。トータルの枚数を出しているなら、相対的に変動するオリコンの中位層の順位より、実売枚数を添えて出したほうがわかりやすいですから。その時の発表では、ほぼ全員が20位~30位ぐらいに納まってる中、落合さん演じる雪歩は17位で、一見して雪歩が目立つリストでした。実売を添えると千早やあずささん、小鳥さん+ALL STARが上に来るランキングになります。こういうプレゼン用のデータで一部の数字を出したり、出さなかったりするのは大抵意味があるものですが、コロムビアさんが当日いない落合さんをプッシュする理由がないので、気のせいかと思ってたのです。が、今回発表になって、ああそういうことか、と納得しました(この発表会でプレスにアピールする意図があったのかはわかりませんが、少なくとも社内プレゼンなどで資料を用意した誰かにはその意図があったんじゃないかなと)。
最初に落合さんのblogでこの話を見たときは、歓喜よりも唖然、という感じでした。作品を母体としたキャラクターソングのケースでは、『らき☆すた』や『涼宮ハルヒの憂鬱』といった京アニ作品、『魔法先生ネギま』の主題歌6ヶ月連続リリース、そして落合さん自身も参加している『アイドルマスター』キャラクターソングシリーズという前例があります。しかし、声優個人の12ヶ月連続CD、それも個人名義では大きな販売実績がない状態でのメジャーデビューで、という形は前代未聞です。確かに最近連続リリースで注目度を高め、集中したプロモーションを打つ形は流行っています。牧野由衣さんの4ヶ月連続リリース、平野綾さんの3ヶ月連続リリースなどがそうですが、牧野さんは『
翻って12ヶ月連続となると……記憶にないですね。一番近いのは倖田來未さんの12週間連続リリースでしょうか。B'zやGLOBEなんかも大量投入したことがありますが、これらは過去作のリメイク。完全新作だとラルクが昔、3枚同時リリースをしたことがありましたっけ。リリース期間が概ねワンシーズン3ヶ月以内なのは偶然ではありません。連続リリースは、注目度を高めると同時に、短期間にパブリシティを集中して投入することで、より効率的な販促を行うことが目的なのです。さらにサイクルの早い音楽業界において、風向きを読める未来はせいぜいそれぐらい、ということも大きいでしょう。正直この仕掛けをして、確実にうまく行く、と声優業界で言えるのは、水樹奈々さんただ一人ではないかと思います。水樹さんの場合、シングル1枚1枚にエネルギーを集中して確実なタイアップを取り、残りのエネルギーはアルバムに回したほうが効率がよいので、こういう作戦はとらないと思いますが。
つまり、今回の落合さんの挑戦は、声優業界のみならず、より範囲を広げてもほとんど前例のない、計算の成り立たない博打なのです。失敗すれば暴挙と言われるでしょうし、成功すれば起死回生の一打として大きな話題になるでしょう。正直、僕は今回の戦略を、100%肯定的には受け取れません。だって売れるかどうかわかんないのに、序盤の売り上げが伸び悩んでも、体制の立て直しはきかないんですよ。そして失敗しても、毎月発売日はやってくる。そしてメジャー販路に乗る以上、売上実績として数字が残ってしまうんです。これ、序盤の展開が思わしくなかったら、誰よりも歌い手が潰れちゃいますよ。
ただ、そのあたりのリスクを十分にわかった上で、敢えてリスキーな選択をしたのだと思います。発表前夜までの落合さんのblogからは、その怖さ、震えが伝わってきますから。わかった上で一歩を踏み出した落合さんの勇気は、応援してあげたいとやっぱり思います。
この手の連続企画の勝負はやっぱり、最初の3枚ですね。最初の1枚は、結構手に取ってもらえるでしょう。問題は2枚目以降。3枚目まで買ってくれたお客さんは、結構惰性で最後まで買ってくれるものです。オタクにはコレクション衝動がありますからね。それに、序盤の売れ行きがまずいと、その後のプレス枚数が絞られてしまいます。ですから、2枚目や3枚目には強力なタイアップがほしいのですが……発売元的には厳しいかもしれません。「Kosmos, Cosmos」の別アレンジをゆりしーセルフカバーとかできれば、アイマス層を引き込むカンフル剤には最高だと思うのですが。
見ている側まで胃が痛くなるような話ですが、ファンとしてはどんな楽曲が聴けるのか楽しみですし、どういう戦略、結果になるのか楽しみな部分もあります。いずれにしても、しばらく注目していきたいと思います。
PR
トラックバック
トラックバックURL:
嘉門達夫さん(アルバム2枚込み)と井上喜久子さんですね
井上さんのは今で言うとラジオのDJCDみたいな感じで
発売当時でも無茶な冒険とか言われてた気がします
…全巻買っちゃいましたけどね(笑)