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2024/11/24 04:28 |
人権訴訟社会にサイバーな明日は来ない。
 先日神戸から帰京したとき、新幹線を使いまして。なんとなく新大阪ではなく西明石から乗ってみたところ、1時間に1、2本しか来ないは、間違えて博多方面行きに乗り込むはでひどい目にあいました。西明石なんてもう使うもんか。それというのも、リニアモーターカーがさっさと走って新大阪に止まらないのがいけないのです。もちろん急にはできないのはわかってるんですが、技術的に実用化されたのはもう30年以上も前。バブルのときにさっさと作っとけばよかったのにと思わずにはいられません。21世紀はやってきましたが、僕らが夢見てたほどサイバーでパンクな世の中は来ていないようです。

 もちろん、インターネットという怪物の普及以前と以後では、別のステージといっていいぐらいの差異があるのはわかっているのですが、もうちょっとなんというか、サイバーでパンクな何かが欲しいではないですか。似たような話はデジタリアン渡邊浩弐さんが10数年も前から、「僕らはマルチメディア時代の入り口で停滞し続けている」といったニュアンスの事を言っていました。その間、ハードウェアと回線速度は、おそろしい速度で進化しました。僕がパソコン通信を始めたころの速度が2400か1200bpsだったのが、今や100Gbps。何倍か比較するのも億劫です。しかし、「巨大なソフトウェアも一瞬でダウンロード」か「掲示板に長文をアップすると、表示にコストがかかると怒られる」時代という差異はあっても、テキストベースのコミュニケーションが中心であることには変わりはありません。skypeやテレビ電話的なサービスはありますが、放送局レベルでは大昔から国際2元中継やらをやっていたのが、個人レベルに降りてきたにすぎません。

 そのあたりの時計があまり動いていないように感じられるのは、結局、ハードウェア、機械の側からのアプローチには限界があるということなのではないかと思っていたりします。ジャックインや仮想現実と言った、20世紀的発想での21世紀は、突き詰めるとヒトの脳に行き当たります。どのような電気刺激を送り込むことで仮想を現実と認識させるか、逆にネットワーク上に人間のパーソナリティや志向パターン、ペルソナそのものを走らせる…といった方向に行く場合、ヒトの脳を知ることが第一になるのは言うまでもありません。

 で、ですね。その、脳科学を実用に結びつける上で、現代ほど劣悪な環境はないのではないかと。僕らは科学の探究で現代がもっとも整っていると考えがちですが、「理論」ではなく「実践・実験」の観点から見ると、現代ほど枷の多い時代はないのではないかと思います。昔、アメリカで戦後すぐ、とある脳科学者が、盲目のヒトの脳内に、電気信号で風景を描き出す装置を作り出した話を見た事があります。博士当人以外には、その装置の研究はおろかメンテナンスさえできず、博士亡き今は表示される光点も減り、もはや外界の識別は難しいそうです。

 ナチスドイツは多くのトンデモも含めて「我がナチスの科学力は世界一ぃぃぃぃぃ」と言われるほどの研究成果を残しましたが、科学技術を発展させるのに戦争ほど優れた状況はないと言います。僕らがこうして楽しんでいるインターネットだって、東西冷戦下の軍事研究の嬉しい副産物にすぎません。前世紀的戦争において発展するのは、科学だけではありません。医術も、当時、水面下でどれほど発展したかわかりません。平たく言えば人体実験ですよ。国家が強権を発動して資源を集中し、人権を無視しちゃる実験体がゴロゴロしてる環境は、純粋に研究目的でいえばすばらしい環境と言えるでしょう。サルやマウスで実験するより、ヒトを開頭して電極ブッ指したほうが早いのは言うまでもありません。洗脳やロボトミーの研究と言えば、やっぱ共産圏ですしね。

 ……もちろん、世界中で共産主義革命が起こって個人の人権が蹂躙されて独裁マンセー、なんて世界は最悪ですよ? ただ、表向き全ての研究に倫理の鎖がキツくかけられた世界が、マッドなサイエンティストたちにとって住みづらいのは確かだと思います。仮想現実にダイブする作品と言えば、参加者が目覚めなくなるのが定番ですが、現実的には訴訟で何十回会社をこかしても払いきれないような賠償金を吹っかけられるでしょう。

 で、決定的なのは、仮想現実側に踏み込んだ技術の発達は、現実の生産性を損なうということです。たとえば、300万ニュー円ほど投資すれば、現実のアイドルや声優やヒナギクと寸分違わぬ存在といつでもセックスできるとします。果たして、うちで寝っころがってるカカアや馬鹿なガキに生涯年収の大半をつぎ込もうと思うでしょうか。出生率はズドンと落ち込み、最新技術にも避妊にも縁のないストリートの住人のみが生めや増やせやの大合唱で、スラム化と経済格差は絶望的なまでに広がるでしょう。現在出回っているような、ドット絵のキャラクターが、クリックしたモンスターをオートで殴り続けるようなMMORPGでも、数百万人の若者を社会から奪っているのです。これ以上の進化を社会の上の方は積極的には望まないんじゃないでしょうか。

 しかしそう考えると、サイバーパンク的な世界観というのはよくできています。科学技術、それも医療などではなく娯楽の分野にも行き過ぎた投資と技術追求をする社会の頭は、倫理が治める国家よりも利潤を法とする企業体であるべきです。健康な脳や肉体を手に入れるのに、住民が住民登録を持たないストリートは打ってつけです。単純労働を機械化と移民に奪われた大衆は、退廃的な娯楽にふける時間と理由があります。そういう意味で考えると、九龍城砦界隈なんかはいい線行ってたのかもしれません。できれば21世紀に起こる科学変化を見たかった。諸々考えていくと、潜る系の技術は、中国が圧倒的な先進国となる時代が来るかもしれませんね。加油! 中国!

 なんでそこまで必死なのかって?

 急いでもらわないと困るんですよ。僕が元気な間に2次元に入れるようにしてもらわないと。


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Webラジオ『ヒャッコ とらのこラジオ』第1回収録現場におじゃまして、藤原啓治さん&ゲストの折笠富美子さんにインタビュー!!
サブリーダー藤原さんほんと面白くてチャーミングな方でした。
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2008/11/13 22:51 | Comments(1) | TrackBack() | 雑記(ゲーム系)

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コメント

・・・壊れた?
posted by at 2008/11/14 23:51 [ コメントを修正する ]

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