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2025/07/31 21:09 |
ゆとりにもやさしいマクロス入門
 関西、関東で『マクロスF』の放送が始まりました。第1話を見て劇場版並の作画クオリティに驚いた人も多いのではないでしょうか。初代『マクロス』や『マクロス7』を見て育った僕らはくすりとするシーンも多いのですが、地上波の『マクロス7』でさえ、なんと14年前の作品。大学生以下の年代の人にはピンと来ないことも多いように思います。初代マクロスの世界で、異星人の存在を告げる戦艦が落ちてきたのは1999年。現代が舞台を10年近く追い越してしまったんですね。『ガンダムSEED』でも初代へのオマージュは多用されていましたが、やはりガンダムは、世代を超えた知名度では一歩二歩先にいっていますから。というなわけで、非常に初歩的な『マクロス』講座をしてみたいと思います。あくまで初見の人向けの内容になりますので、ご了承ください。

●三角関係×歌×戦闘
 『マクロス』シリーズにおいては、「三角関係(恋愛)」「歌(アイドル)」「戦闘(メカ)」という3つの要素が重視されており、多くの作品でこの3要素を骨格として組み込んでいます。なぜマクロス=「三角関係×歌×戦闘」でなければいけないのかを、構造的に説明するのはちょっと難しいです。ただ、90年代後半にエヴァンゲリオンで「ディラックの海は子宮の象徴であり、シンジは母の子宮に回帰したのだ」とか、「エヴァという作品は監督・庵野秀明の内面を描いたオナニーショーにすぎない」といった、なんだかよくわからないけど、オタクみんなが共通認識として持っている常識ってありましたよね? そんな感じで作品にまつわる時代の空気として、「三角関係×歌×戦闘」の3要素はマクロスに欠かせない……という共通認識があるのです。ファンがみんなそう思っていて、作り手もそう思っているのなら、それはもう真実です。理由を考えるのではなく、三角関係とか歌が出てきたら、「あ、マクロス的だな」と考えずに感じるのが正解です。

 三角関係に関しては、やはり初代『マクロス』の影響が圧倒的です。スタート時点では完全にメインヒロインだと思われており、銀河レベルのアイドルへと上り詰めて行くリン・ミンメイと、口を開けば喧嘩ばかりだった早瀬未沙。2人の女性との恋愛の機微と、関係の変化は、シリーズを通して人類の存亡をかけた戦争と同じ密度で描かれました。そのある種のリアルな人間関係は、昨今の脱臭されたハーレムアニメにはないものでしょう。「スーパーアイドルと身近な普通の少女」という対比は『マクロスF』にも生きているので注目したいです。一方、『マクロス7』では、熱気バサラとガムリン木崎という2人の男性と、ミレーヌ・ジーナスの関係が描かれました。ミレーヌとバサラが「アイドル」ではなく「ロックバンド」になっているのが、時代の音楽を取り巻く状況を反映していますね。

 そして『マクロス』と『マクロス7』において、共通して大きな意味を持っていたのが“歌”です。マクロスでは敵対する異星人「ゼントラーディ」との戦闘が描かれたのですが、異なる思考回路・価値観を持つ異星人に対して、心を動かす力を持っているのが歌、というわけです。なにやらNo Borderな話で、今現実世界にゼントラーディが攻めてきたら、JAM Projectの出番でしょう。歌の重視は『マクロスF』にももちろん生きています。最終的に歌がどのような役割を果たすのかはわかりませんが、演出レベルでも「街中のラジオや街頭の映像からアイドルの歌が流れる」、という形で、自然に歌を作中に取り込む演出は健在です。1話の“ライブ中に敵が襲来し、戦闘シーンにライブの歌がかぶせられる”という演出はもはやお家芸です。BGM的に挿入歌を被せるのではなく、作品世界の中に流れる歌声としての演出を可能な限り心がけているわけですね。

 最後の「戦闘」を語る上で外せないのが、可変メカ“バルキリー”の存在です。飛行形態、バトロイド(人型)、ガウォーク(その間)という3種に変形するメカは、戦闘機の特徴を色濃く残したリアルなデザインでありながら、それが魔法のように変形するという意外性で、関連商品の売り上げに大いに貢献しました。もうひとつ、マクロスの戦闘を象徴する要素として、宇宙空間を駆けるミサイル軌道の変態的な描きこみがあります。絡み合うように飛んでいく“弾幕”と呼ぶにふさわしい大量のミサイルですが、実はこれらは優等生、先読み君、バカミサイルの3タイプがあり、まっすぐ目的を狙う、相手の能力や挙動を計算する、ランダムに予測できない動きをする……といった、別種の個性を与えられているのです。カメラワークや練りこまれた爆発エフェクトなどと合わせて、これらは“板野サーカス”(アニメーター・板野一郎さんが由来)と呼ばれ、多くの作品に影響を与えまくっています。『マクロス』はこうした職人芸的な斬新な映像と、過酷なスケジュールや外注のクオリティ問題など様々な要因による作画崩壊が同居する、珍しい作品だったのです。ただし、『マクロスF』は戦闘シーンに3DCGを使用していることもあり、戦闘中の弾幕表現はわりと素直になっています。ですが、いわゆる「板野的な生きたミサイル描写」と比較しながら見る視座を持っておくと、戦闘シーンの見方がちょっと変わるかもしれません。

●その他の覚えておくとちょっといいキーワード
○「デカルチャー!」
 マクロスに登場する異星人・ゼントラーディの言葉で、「信じられない!」「おそろしい!」といった、異文化に対する恐怖を伴った驚きを示す言葉です。強調するときは、「ヤック・デカルチャー!」となります。『マクロスF』ではランカが働いている中華料理屋「娘々」のCMに使われるなど、かなり砕けた流行語になっているようです。『マクロス』『マクロス7』『マクロスF』は同じ宇宙の2010年頃、2045年頃、2059年頃をそれぞれ描いているので、このような単語の伝播もあるんですね。『マクロス7』における印象的な異星語としては「アニマ・スピリチアー!!」などもありますが、これは作品固有の世界観・テーマに深く根ざしてるので登場しないかな?

○リン・ミンメイ、熱気バサラ、ミレーヌ・ジーナス、シャロン・アップル
 前述の通り、マクロスシリーズは同一の宇宙の異なる時間軸を描いています。ですから、『マクロス7』には、伝説の歌姫としてのリン・ミンメイが色濃く存在しており、ミレーヌがドラマでミンメイを演じたりもしています。また、『マクロスプラス』のヴァーチャルアイドル、シャロン・アップルが『マクロス7』の登場人物をアップアプにしているシーンもあったりするので、ひょっとしたら、『マクロスF』でも、伝説の歌姫たちの名前が登場したり、作戦名に使われたりもあるかもしれません。特に『マクロス7』の2059年時点でバサラは30代半ば、ミレーヌは28歳ぐらいですから、何らかの形での登場もあるかもしれませんし、ないかもしれません。ちなみに『マクロスF』シェリルの「あたしの歌を聞けー!!」という台詞は、熱気バサラの「俺の歌を聞けーッ!!」を踏襲したものです。

○歌シェリル
 初代『マクロス』はリン・ミンメイ役に歌手の飯島真理さんを起用し、作品をきっかけに現実世界でもアイドルとしてブレイクするという大仕掛けがありましたが、『マクロス7』では、声優が普段の演技を、歌手がボーカルを担当するという分業制が敷かれました。バサラはハミングバードの福山芳樹さん(今はJAM Projectのメンバーとしておなじみですね)、ミレーヌはチエ・カジウラさんがボーカル担当でした。『マクロスF』では、May'nさん(中林芽依さん)が、歌姫シェリル・ノームのボーカルを担当しており、このことを「歌シェリル」と呼びます。

○みwikiさん
 『マクロスF』絡みの雑談で時々出る単語ですが、シェリル・ノーム役の遠藤綾さんが『らき☆すた』で演ずる雑学に強いキャラクター、高良みゆきと、シェリルの髪色、ロングヘアーなどの特徴が(そこだけ)かぶっているため、時折こう呼ばれることがあります。

○もってっけー!
 イベントタイトルなどにも使われるこの言い回しは、シェリルが歌う「射手座☆午後九時Don't be late」の一節。午後九時とDon't be lateの間にスペースを入れると、怒られます。似た単語に「とんでっけー!!」も。独特の節回しが特徴で、東京国際アニメフェアのおひろめステージでは、スクリーンにニコニコ動画風の弾幕が貼られていました。また、『マクロスF』には、ヒロイン役の遠藤綾さん以外にも平野綾さん、福原香織さんも登場予定なので、「もってけ!セーラーふく」を連想する人もいるかもしれません。なんとなくいろいろな流行に「のってっけー!」な香りがしますが、企画会議とかは、案外馬鹿話でしていた内容がそのまま通ってしまったりするので侮れません。

○菅野よう子×坂本真綾
 管野よう子さんは『天空のエスカフローネ』『カウボーイ・ビバップ』など非常に多くの作品で音楽を担当しており、アニメ音楽の第一人者の1人です。オーケストラの協奏曲を思わせる壮大なテーマ、ジャズ、民族音楽からハードロックまで、その貪欲なまでの作風の広さと多作さ、安定したクオリティには定評があります。『マクロスF』では坂本真綾さんがOP「トライアングラー」を担当していますが、菅野さんは坂本さんのデビュー曲の「約束はいらない」から、2003年のアルバム「少年アリス」までの作曲やプロデュースを手がけています。いわば坂本真綾さんの音楽の根幹を一緒に作ったコンビなのです。その2人が4年ぶりにボーカル・作曲という形でタッグを組んだのが「トライアングラー」。この曲で妙にテンションが上がっている坂本真綾ファンを見かけたら、それはこういう理由からです。菅野プロデュース時代の坂本真綾さんはアルバムで5万枚~7万枚の売り上げを誇っていたので、マクロスF関連の楽曲の展開や売り上げにも注目です(坂本さんはアニメファン・声優ファンの外に幅広い支持層を持っているので、ライトな声優ファンの認識よりは大分売れています)。

 こんなところでしょうか。僕は『マクロス』に関してはそんなに精通しているわけではないので、シビアなツッコミは勘弁してもらえると幸いです。『マクロスF』、第1話のクオリティをある程度維持できれば、年度を代表する作品にもなりうると思うのですが、どうなるでしょうか。注目したいと思います。
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2008/04/05 04:50 | Comments(23) | TrackBack() | マクロス
『アイドルマスター』という物語。
 ちょっと語り入ります。長いです。

 アイドルマスターが初めて世に出たとき、彼女たちはまだ何者でもありませんでした。僕自身も初めて出会う人たちで、唯一、釘宮さんにだけ“アルフォンス・エルリック”としてお話を伺ったことがあった気がします。AOU2004のアーケード筐体初出展。プラボ中野でのロケテスト。AOU2005で行われた初のイベント「アイドルマスター6/9」……そして9人が初めて一堂に会したのが、2005年7月の『アイドルマスター』スタートアップミーティングでした。その後、ついにアーケード版『アイドルマスター』が正式稼動。イベントや取材でアイマスの存在は知っていたものの、ゲームセンターではちょっと敷居の高さを感じていた僕がこの作品に本当の意味で出会ったのは、単なる偶然でした。モニターから流れる、如月千早の“蒼い鳥”。モニターを見つめて固まったまま、気がついたら500円を筐体に投入していました。……日夜、ゲームセンターからの呼び出しメールに応える日々の始まりでした。

 ライブイベントとしてのアイマスの始まりは、2006年1月、雪の赤羽。赤羽会館での“アイドルマスターシークレットライブ”でした。キャパは600~700くらいで、参加希望者にはかなりの戦死者が。釘宮さん以外の8人が集まりましたが、当時の曲のストックはそけぞれの持ち歌+「THE IDOL M@STER」の10曲だけ。ドラマやトークパートが多めに入った、ややイベント色の強いものでした。イベント自体も手作りで、振り付けは若林直美さんが自ら担当し、メンバーにビデオで手渡していました。客席のコールやPPPHに「こういうのに憧れてた……」と、少女のように呟いていた若林さんを覚えています。終演後、若林さんは本当に精根尽き果てた様子でした。誰よりも準備にがんばって気を張っていたんだと思います。中村さんは、コメント取り用の控室に入ってくるときまでずっとモグモグモグモグモグ何かを食べてたのですが、口の中が渇いて飲み込めず、「大丈夫、出す? ティッシュいる?」と仁後さんが世話を焼いていました。今井さんはアイマスへの思い入れが溢れすぎて、コメント量が3倍ぐらいありました。智秋さんは「アイマスのアイはアイラブのアイ、愛するのアイ」「どんとこい2006」などのサムカワワードを流行らせようとしていましたが、まるで流行りませんでした。少しJPY時代には早かったようです。そういえば、この頃の下田さんの印象があまりありません。先輩たちに囲まれてコチコチになっていた新人さんが、あんな無敵な女性に育つのだから3年は短く長いです。仁後さんは、「もっと踊りたいんです!」という気持ちが溢れそうになっていました。「ドームですよ、ドーム」……それはまだ、冗談も冗談の世界でした。そういえばこの時、すでに場内アナウンスは滝田樹里さんだったんですが、まだ誰も、彼女の名前すら知りませんでした。

 2006年3月。水面下で密やかに広まりつつあった『アイドルマスター』の熱が、一気に燃え上がったできごとがありました。千葉行徳のゲームセンター・アブレイズ行徳でのイベントです。今井さん、下田さん、中村さん、仁後さんの4人が、店内のイベントスペースでトークショーやゲームを行ない、さらには参加者全員に4人がそれぞれサインを行うという、今からは信じられない神イベント。なんとイベント終了までは店舗をクローズドしてイベントに専念するという熱の入れようです。しかし、悲劇が起こったのは午前5時。折悪しく雨が降りしきる中、始発が入る前になると、そこかしこの路地、漫画喫茶等から、わさ、わさ……と現れる人、人、人。ダミー列が出来、怒号が飛び交い、店長さんが頭を下げ……夜明け頃に500人を遥かに越える殺気立った集団が店舗前の道路に殺到するという、前代未聞の事態になったのでした。抽選にする道はなかったのか、事前の読みが甘かったのは否めませんが、こんなイベント、ゲームセンターの広報活動として、収支が合うはずがありません。かなりの持ち出しが合ったようで、「またイベント? 絶対無理だよ」と笑っていた店長さんを覚えています。本当に『アイドルマスター』という作品を愛してくれている人でした。僕もサイン欲しいしハイタッチしたかったです。

 2006年4月には「ラジオdeアイマSHOW!」が放送開始。今井さん、中村さん、落合さんがパーソナリティのこの番組は、その後の展開の大きなターニングポイントだったと言ってもいいでしょう。一歩先んじて「THE IDOLM@STER RADIO」の放送が始まってましたが、僕は雑音だらけで初期はほとんど聴けてません; そしてラジオなどの露出が高まる中、7月23日、スタジオコーストで開催された“THE IDOLM@STER 1st ANNIVERSARY LIVE”には2000人を越える観衆が詰め掛けました。この日は、ついに9人のアイドルたち全員が集結。釘宮さんも含めた9/9が揃った記念すべき一日でした。滝田さんもドラマパートに参加! このイベントあたりからコロムビアミュージックさんが積極的に協力していたような記憶があります。この日は釘宮さんがそこにいて、9人が揃っていることが嬉しくて仕方なかったです。この頃僕は「下田さんの“とかちつくちて”とか、“みぃだれる”のこぶしがいいんだよ」とか言いまくってたんですが、あまり相手にされませんでした。あと、仁後さんが念願のダンスで重ねたトレーニングの成果を存分に発揮していたのも印象的でした。

 2006年9月。今や『アイドルマスター』には欠かせない、もうひとりのアイドルが初めて登場します。東京ゲームショー2006、長谷川明子さんの初イベントです。こちらも初公開のXbox360版のごまえー映像の鮮烈過ぎる映像と共のデビューでした。トークにはまだ硬さがありましたが、Relationsを歌う姿を見て、歌唱力と演技に関しては大丈夫、信頼できると安心したものです。そして中村さんの画像チェックが「いいの選んでね」で終わったのは僕の人生最速記録でした。そして、この秋はアイマスイベントラッシュ。10月にはらじましょの公録が曳船で行われたのですが、なんとこの会場では落合さんの番組卒業を発表! 映像コメント組も、ゆりしーの卒業を知らずに喋っているという、まさに「電撃卒業」でした。「飛ぶ鳥後を“にご”さず、ということで×2」のゆりしーのフリで登場したのは、新パーソナリティの仁後さん! まだちょっと遠慮がある感じだったこの頃。1年半後、今井さん、中村さんの脱線を鉈のようにバッサリとぶった切って進行するたくましい仁後さんの姿は想像できませんでした。11月はアイマスレディオの公録。バスローブ姿も披露した智秋さんによる、JPY・サムカワ時代の幕開けでした。そういえば、最近は頻繁にイベントが行われる銀座パセラで、かなり先駆けになったイベントな気もします。

 ただ……このイベントでひとつ、今でも悔いていることがあります。終了後、「今後アニメ等の新展開について聞かせてください」という質問をしたんです。あー、昔に戻ってぶん殴って止めたい。その時の微妙な空気の理由は、年明けにわかることになります…。その前夜というべき2006年12月22日には、石丸電気イベントに今井さん、中村さん、長谷川さんが登場。あとガミPもさりげなく初登場? だったんですが、この時はあんた誰ですか、という感じでした。思えば、この時の「オリコンデイリー10位報告」が、その後のアイマスCDの快進撃の最初の波だった気がします。

 2007年1月。『アイドルマスター XENOGLOSSIA』の発表では、足元がガラガラと崩れていくような感覚でした。あの当時は、今のようにゲームとアニメが別個のシリーズとしてプロジェクト内で共存できる保証はどこにもなかったのです。実際、出演声優の豪華さから、アニメというパイの大きさの前にはアケ版のファンは問題にならない、と僕に言った人もいました。「全員がアニメ版を支持しても、僕は最後までこのアイマスに張り続けますよ」と言った啖呵は、冗談めかしていましたがどこまでも本気でした。坂上Pと小野田さんにインタビューした際、記事にもならないのにかなり食い下がって聞いた覚えがあります。「4月のライブが旧アイマス声優の卒業式だ」……そんなまことしやかな憶測が流れ、プロデューサーたちは安眠できる夜がなかったのです。そんな時期に潰れずに済んだのは、2007年1月末に、Xbox 360版『アイドルマスター』の発売が迫っていたからです。家庭用版『アイドルマスター』は、ゲームセンターで遊ぶのはちょっと……と考えていたユーザーを掘り起こし、360市場では大健闘と言っていいヒットとなりました。360版はDLC市場で大きな鉱脈を掘り当てると共に、「ユーザーの家庭にアイマスの絵素材がやってきたこと」は、とあるサイトの登場と共に新たな起爆剤になります。とあるサイトとはもちろん、「ニコニコ動画」。この登場するや否や、ネットユーザーと日本のネットのトラフィックのど真ん中にどっかりと座りこんだサイトで、「とかち」やアイマスは大人気になりました。僕は、ニコニコ動画はアイマスブレイクのあくまできっかけのひとつだと思います。しかし、360版の登場と時を同じくして、この新たな推進力が登場したのは、アイマスの持つ「強運」の象徴のひとつだと思います。

 2007年2月はアイドルマスターとは直接関係ありませんが、今井麻美さん、中村繪里子さんのユニット「A.I.E.N」が自主イベントを開催。開演直後、銀座パセラ後方の階段で撮影のために陣取っていたら、背後に気配が。振り返ってみたらなんと中村さんで、あわてて場所を譲ろうとしたら「そのまま。」と言われ、固まったまま壁になってたのを思い出します(中村さんは後方からサプライズ登場する演出だった)。またやりたい! と無邪気に言う中村さんと、準備に奔走してしばらくいいや、という今井さんが印象的でした。また、この日のいくつかの幸運な出会いの縁がなければ、こうして僕がblogをやっていることもなかったかもしれません。

 2007年4月、今から一年前。お台場・ZEPP TOKYOで、2度目となる全員参加、9/9ならぬ、滝田さんと長谷川さんを加えた11/11、「THE IDOLM@STER ALL STAR LIVE 2007」が行われました。Xbox360版の楽曲を加え、ようやくフルサイズのライブが行われるだけのストックができました。メンバー全員を揃え、この時点のライブのひとつの完成形ともいえる形だっただけに、映像化されていないのは本当に残念です。会場からの大きな「ゆりしー」コール。この日は釘宮さんが本当に楽しそうに歌い踊っていたのが印象的です。智秋さんも、Aice5ツアー、君のぞのライブを抱えながらもパフォーマンスの高さは変わらず。そしてこの日は、滝田樹里さんがステージに歌い手として立った日でもありました。

 そして、2007年10月~11月に行われた「Go to the NEXTSTAGE!! THE IDOLM@STER GREAT PARTY」は、大阪BIG CATと渋谷O-EASTの計3会場のチケットを、瞬く間に(チケット販売形式により、時間こそかかりましたが)食らい尽くしました。(僕自身は、渋谷で「取材陣の皆さんも、大阪来てくれますよね?」という今井さんの質問に「もちろん行きます!」と答えてしまったがために、大阪まで自腹で行くことになったのはいい思い出です。)

 コーストやZEPPといった2000人クラスの会場でのライブの成功、そしてグレートパーティのソールドアウト。10000枚越えという脅威のセールスを安定して続けたMASTER ARTIST……それらひとつひとつの実績の積み重ねが、機は熟したとの判断につながったのでしょう。

 2008年7月27日、Go to the NEW STAGE! THE IDOLM@STER 3rd ANNIVERSARY LIVE。会場、パシフィコ横浜。

 キャパシティ5000人は、アイドルマスターにとっても未知なる冒険です。しかしそれは、単なる一過性の話題や流行によるものではありません。僕が印象に残っているものをあげただけでも、軽く退くぐらいの長さになったアイドルマスターの歴史。これ以外にも公録などのイベントは他にもありましたし、その間に発売された数十枚のCD。アーケード版、360版、L4Uといった本編に収録された演技、歌。華々しいイベントやライブ以外にも、アイドルマスターに関わる声優さんたちは何時間、何十時間、何百時間とスタジオにこもり、レッスンに打ち込んできたのです。3年も前に発売されたアーケード作品が、幾つかの幸運な時流にも乗ってこの舞台に辿り着いたのは、ひとつの奇跡と言ってもいいでしょう。しかしそれは、彼女たちの熱意と努力の積み重ね、そして僕らが『アイドルマスター』と出会った幸運の無数な積み重ねがなければ決して辿り着くことのなかった「必然」なのだと思います。

 3周年、いえ、レコーディングのスタートで言えば、あと2年は遡るでしょうか。今度のライブはそうした歴史のひとつの到達点です。しかし、タイトルにもある通り、このライブは次なるステージへの第一歩でもあります。伝説はまた、ここから始まるのです。


(ニコニコの登場時期の訂正などに合わせて、一部テキストをリライトしました。4/4 19:50)

2008/04/04 03:21 | Comments(7) | TrackBack() | アイドルマスター
年度またぎでRadio for You公録記事
嵐を呼ぶ結納式!仲人コンビも登場の『アイドルマスター Radio For You!』公録イベント“結納~you-i know~”が、吉祥寺・前進座劇場で開催!

 2月末のイベントが今か! というお叱りが多いと思うのですが、2月28日の「Radio For You!!」公開録音の模様がanimate.tvに掲載されました。アップに辿り着く過程でどこかで記事が迷子になっていたようですが、涙目でお願いしてなんとかアップしてもらいました。この後東京国際アニメフェアのイベント記事がどさどさとアップされて流れていくのは記事として不憫だなぁ……ということで宣伝宣伝。一応、紙・webの媒体でのリポートはanimate.tvのみだと思います。画像サイズはちっこいですが、「ゆい」「のう」「Jき」の“のう”センスを頭につけたのう中村さんとかの写真もあるので、よかったら見てくださいませ。

 平田宏美さん分が豊富に補給できる素晴らしいイベントでした。そういえば、4月1日付でフリーになった若林直美さんのblogはチェックしてますか? 4月3日の日記では、タイムリーに仲人コンビがお好み焼きを食べてるので、未見の人は今すぐGOです。

若林◇直営ブログ

2008/04/03 02:49 | Comments(1) | TrackBack() | アイドルマスター

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