8月30日、31日にさいたまスーパーアリーナで開催されるアニメロサマーライブ。31日の隠し球として、「THE IDOLM@STER」の登場が突如告知されました。詳細の正式発表は、6月17日19時に改めて行なわれるとのことです。
最初にこの話を聞いたときの感想は、嬉しさ1/3、足元見られてるなぁという悔しさ1/3、担当者を賞賛する気持ち1/3、といった感じでした。コロムビアミュージックがライブを主に仕切るアイマスは、アニメロとあまり近いイメージがなかったので、正直驚きました。むしろイメージ的に近いのはランティス色の強いアニメ版『ゼノグラシア』ですが、このタイミングこの発表で「実は『ゼノグラシア』でーす」と後から言ったらいろんなところが燃え上がるのが必至なので、流石にそれはないでしょう。定冠詞「THE」がつくアイマスは一応ゲーム版を指すことが通例ですしね。
なぜ足元見られてる感があるかと言えば、既に先行発売分の販売は終了済で、会場は国内最大級のSAA。今から必死でチケットを手に入れても、正規のルートでは米粒大な席になるのが必死だからです。しかし、うまいなと思うのは、僕らアイマスファンは、彼女たちが過ごした時間を共有することに価値を見出す人種だということです。東京ドームに迫るランクA・Bライブに相当するステージに、アイマスガールズたちが立つ。2万人クラスの観客の前に彼女たちが現れるその瞬間を共有したい、という気持ちだけでチケットが買える(買わずにいられない)人種なんですね。ツアーを日常的に行なうアーティストと比べて、ひとつひとつのイベント、ライブに対する切実さが高いんです。
だから、たとえ客席の条件が多少悪くても買わずにいられない。正直僕は、「田村ゆかり、水樹奈々、茅原実里、栗林みなーみ」と並んでる30日の方が個人的には本命だな…と思っていたので、とんだカウンターパンチを食らいました。しかし、発表のタイミングは、ドライに考えるならここしかないでしょう。アイマスは、たとえば初動の段階で水樹奈々さんよりチケットを売れるポジションではありません。しかし、良席が掃けた時点で、追加の1000、2000を売りたいときに、これ以上のアーティストはなかなかいないと思います。パシフィコ横浜ライブのチケットが取れなかった難民が発生しているタイミングであることを鑑みても、この発表は悪魔のようにツボを押さえたものと言えるでしょう。
また、この発表にはもうひとつ大きな効果があります。「アニメロは、追加発表で何を出してくるかわからない」──こうした認識が浸透すれば、来年以降の開催の際、とりあえずチケット抑えておくか、という需要がかなり発生するでしょう。このあたり含めても、うまいな、と思わざるをえません。
ひとつだけ付け加えるなら、アイマスファンは、苦笑しながらも自発的に踊らされて、チケットを買うでしょう。しかし、アイマスファンは、ほんとーにアイマスだけが目当てでチケットを買っちゃう人種なんです。そして、「アイマスファンはアイマスのステージが終わったら帰った」なんて悪評がコンテンツに向けられるのが嫌だからという理由で、ちゃんと他のステージも真剣に見る人たちです。アイマス馬鹿なんです。なので、せめてアイマスファンも来てよかったなぁと思えるように、できればフルメンバーに近い形で2、3曲歌わせてあげるぐらいの敬意ある扱いをしてもらえると、大変嬉しく思います。
「THE IDOLM@STER」ってアーティスト名が妙に気になるんですけどね。スクリーンにアイマスキャラクターが登場してライブとかだったらどうしよう(笑)。そういう路線だと、「追加アーティストはVOCALOIDオールスターです」なんてのもありだな。それは冗談として、あらゆる肩透かしに備えつつも……正直嬉しいよりもピンとこないんですよね、SAA。まだ自分の中でパシフィコ横浜すらも実感としてはとらえられてないので。
最初にこの話を聞いたときの感想は、嬉しさ1/3、足元見られてるなぁという悔しさ1/3、担当者を賞賛する気持ち1/3、といった感じでした。コロムビアミュージックがライブを主に仕切るアイマスは、アニメロとあまり近いイメージがなかったので、正直驚きました。むしろイメージ的に近いのはランティス色の強いアニメ版『ゼノグラシア』ですが、このタイミングこの発表で「実は『ゼノグラシア』でーす」と後から言ったらいろんなところが燃え上がるのが必至なので、流石にそれはないでしょう。定冠詞「THE」がつくアイマスは一応ゲーム版を指すことが通例ですしね。
なぜ足元見られてる感があるかと言えば、既に先行発売分の販売は終了済で、会場は国内最大級のSAA。今から必死でチケットを手に入れても、正規のルートでは米粒大な席になるのが必死だからです。しかし、うまいなと思うのは、僕らアイマスファンは、彼女たちが過ごした時間を共有することに価値を見出す人種だということです。東京ドームに迫るランクA・Bライブに相当するステージに、アイマスガールズたちが立つ。2万人クラスの観客の前に彼女たちが現れるその瞬間を共有したい、という気持ちだけでチケットが買える(買わずにいられない)人種なんですね。ツアーを日常的に行なうアーティストと比べて、ひとつひとつのイベント、ライブに対する切実さが高いんです。
だから、たとえ客席の条件が多少悪くても買わずにいられない。正直僕は、「田村ゆかり、水樹奈々、茅原実里、栗林みなーみ」と並んでる30日の方が個人的には本命だな…と思っていたので、とんだカウンターパンチを食らいました。しかし、発表のタイミングは、ドライに考えるならここしかないでしょう。アイマスは、たとえば初動の段階で水樹奈々さんよりチケットを売れるポジションではありません。しかし、良席が掃けた時点で、追加の1000、2000を売りたいときに、これ以上のアーティストはなかなかいないと思います。パシフィコ横浜ライブのチケットが取れなかった難民が発生しているタイミングであることを鑑みても、この発表は悪魔のようにツボを押さえたものと言えるでしょう。
また、この発表にはもうひとつ大きな効果があります。「アニメロは、追加発表で何を出してくるかわからない」──こうした認識が浸透すれば、来年以降の開催の際、とりあえずチケット抑えておくか、という需要がかなり発生するでしょう。このあたり含めても、うまいな、と思わざるをえません。
ひとつだけ付け加えるなら、アイマスファンは、苦笑しながらも自発的に踊らされて、チケットを買うでしょう。しかし、アイマスファンは、ほんとーにアイマスだけが目当てでチケットを買っちゃう人種なんです。そして、「アイマスファンはアイマスのステージが終わったら帰った」なんて悪評がコンテンツに向けられるのが嫌だからという理由で、ちゃんと他のステージも真剣に見る人たちです。アイマス馬鹿なんです。なので、せめてアイマスファンも来てよかったなぁと思えるように、できればフルメンバーに近い形で2、3曲歌わせてあげるぐらいの敬意ある扱いをしてもらえると、大変嬉しく思います。
「THE IDOLM@STER」ってアーティスト名が妙に気になるんですけどね。スクリーンにアイマスキャラクターが登場してライブとかだったらどうしよう(笑)。そういう路線だと、「追加アーティストはVOCALOIDオールスターです」なんてのもありだな。それは冗談として、あらゆる肩透かしに備えつつも……正直嬉しいよりもピンとこないんですよね、SAA。まだ自分の中でパシフィコ横浜すらも実感としてはとらえられてないので。
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本日、5月16日はなんの日でしょう。『アイドルマスター』如月千早役・今井麻美さんの23歳の誕生日であり、7月に行われるアイマス3周年記念ライブのチケット先行予約締切日でもあります。こうした節目の日が来るたびに思うのですが、アイドルマスターが今の姿として僕たちの前に前にあってくれるのがどれぐらいの奇跡の積み重ねなのだろうと。
エニックスアニメ大賞やラジオビッグバンが無ければ、アイマスのキャストオーディションでダンス審査員がちょっと気まぐれを起こしていたら、「如月千早」は今の姿で僕にの前にはいなかったわけで。ものすごいifによっては、ひょっとしたら千早なんていなくてかわりに「たかね」や「ひびき」がいたかもしれない。そう考えると、ああ神様千早をありがとう、ミンゴス生まれてくれてありがとうという厳粛な気持ちになります。気持ち悪くてすいません。
そして、3周年記念ライブですが、先行予約の締切は本日16日です! 皆さん、申し込みしましたか? パシフィコ横浜が東京ドームへのステップであると考えるか、今までの集大成であるかは、人によって捕らえ方が違うでしょう。ですが、大事じゃないライブなんてひとつもないのです。僕にとっても今までのライブは、全て大切な思い出になっています。今までのライブに参加した人は悩まないと思うので、まだアイマスライブに参加したこと無い人! 騙されたと思って申し込みしてみてください。そして今井さんの蒼い鳥に総毛だつといい。仁後ちゃんのダンスのキレに驚くといい。若林さんに「ていうかあの人律子じゃね」とツッこむといい。中村さんにちょっとハラハラしつつも「うまくなったね、がんばったね」とお父さんのような気持ちになるといい。長谷川さんは髪切ったぐらいからいっそう綺麗になったなとドキドキするといい。たかはしさんが「うわ、ほんとにこの人こういう人なんだ。こんな人三次元に実在するんだ」と圧倒されつつもJPYるといい。平田さんに「ひろりーん!」コールをしててれてれさせるといい。釘宮さんが本当に楽しそうなのを見てあたたかい気持ちになるといい。下田さんのこぶしぶん回しを体感するといい。そして今まで最大級の大会場で、マックスにいっぱいいっぱいになる滝田さんを堪能せよ!
熱くなりました。個人的には、DVDが出るかとかって些細な問題なんですよ(出ると嬉しいけど)。だってあの、ステージ上にもステージ下にもアイマスが大好きな奴らしかいない空間・空気ってのは、残念ながらカメラでは切り取れないものなんです。
と煽ってるのですが、僕個人は熟考に熟考を重ねた結果、申し込みしないことにしました。僕は現在完全フリーの身の上なので、どこからも取材の話が来なくてライブにいけないことになったら……と考えると、想像するだけでちょっと立ち直れないぐらい凹むんですが、方々の編集さんとかに会うたびに、ちょっと引かれるぐらいアイマスの話してるので、多分今回もプレス入場になると……思います。それなら、自分のために抽選漏れになる人が出るリスクは避けたいんです。とにかく、1人でも多くのアイマスファンにライブを見てほしいんです。
しかし3周年ライブ、選曲どうすんですかね? 僕的には、グレパが最高に楽しかった一方、「でもやっぱり、シメに「THE IDOLM@STER」は聞きたかったよな」派なので、久しぶりに初代楽曲の数々を聞きたい。でも「バレバレバレンタイン!」はライブだと超盛り上がると思うし、「団結」とかも、なんらかの形で一度は聞いてみたい。一般的なライブの曲構成といえば20曲~25曲ぐらいだと思うんですが、アイマスの場合キャラクターのトークパートやMCの分量も多いから、曲数をみっちりってわけにはいかないでしょう。そう考えると……どう考えても足りない! こうなったらお前らあれですよ、記録的な勢いでパシフィコ埋めて追加公演ですよ! そのためにも皆さん予約してください。
そんな熾烈なライブで歌う楽曲レースの中、ほぼ確実に歌うであろうと思われるのが、L4Uの新規楽曲。最近は「Do-Dai」がかなり熱いですね。僕的には、やはり年齢層の低いチーム(やよい、伊織、美希)が素晴らしいと思います。素のかわいさだとやよい、歌詞とのマッチングも含めれば美希がよいよいです。伊織さんに関しては、なんですか、最近表現者としての釘宮さんを普通に尊敬している自分がいるのです。なので正座して見入ってしまいます。僕はやっぱりあれですね、ストイックにキャラクターと向き合ってるタイプの役者さんが好きなんだと思います。沢城さんとかね。
亜美真美は、別枠です。あれは「Do-Dai」がどうとかではなく、亜美真美歌謡として下田麻美個人が素晴らしいのだと思います。本当は年長組の「ちょっと無理してる感」もとっても愛しいのですが、この辺を書くと、なぜか悪口ととられることがあるのでやめておきます。うーん、「あずささんには公式年齢ごまかしていてほしい。むしろそこがいい」とか飲み会で言っても、いまいち「何を言ってるんだこいつは」みたいな感じなんですよね。
エニックスアニメ大賞やラジオビッグバンが無ければ、アイマスのキャストオーディションでダンス審査員がちょっと気まぐれを起こしていたら、「如月千早」は今の姿で僕にの前にはいなかったわけで。ものすごいifによっては、ひょっとしたら千早なんていなくてかわりに「たかね」や「ひびき」がいたかもしれない。そう考えると、ああ神様千早をありがとう、ミンゴス生まれてくれてありがとうという厳粛な気持ちになります。気持ち悪くてすいません。
そして、3周年記念ライブですが、先行予約の締切は本日16日です! 皆さん、申し込みしましたか? パシフィコ横浜が東京ドームへのステップであると考えるか、今までの集大成であるかは、人によって捕らえ方が違うでしょう。ですが、大事じゃないライブなんてひとつもないのです。僕にとっても今までのライブは、全て大切な思い出になっています。今までのライブに参加した人は悩まないと思うので、まだアイマスライブに参加したこと無い人! 騙されたと思って申し込みしてみてください。そして今井さんの蒼い鳥に総毛だつといい。仁後ちゃんのダンスのキレに驚くといい。若林さんに「ていうかあの人律子じゃね」とツッこむといい。中村さんにちょっとハラハラしつつも「うまくなったね、がんばったね」とお父さんのような気持ちになるといい。長谷川さんは髪切ったぐらいからいっそう綺麗になったなとドキドキするといい。たかはしさんが「うわ、ほんとにこの人こういう人なんだ。こんな人三次元に実在するんだ」と圧倒されつつもJPYるといい。平田さんに「ひろりーん!」コールをしててれてれさせるといい。釘宮さんが本当に楽しそうなのを見てあたたかい気持ちになるといい。下田さんのこぶしぶん回しを体感するといい。そして今まで最大級の大会場で、マックスにいっぱいいっぱいになる滝田さんを堪能せよ!
熱くなりました。個人的には、DVDが出るかとかって些細な問題なんですよ(出ると嬉しいけど)。だってあの、ステージ上にもステージ下にもアイマスが大好きな奴らしかいない空間・空気ってのは、残念ながらカメラでは切り取れないものなんです。
と煽ってるのですが、僕個人は熟考に熟考を重ねた結果、申し込みしないことにしました。僕は現在完全フリーの身の上なので、どこからも取材の話が来なくてライブにいけないことになったら……と考えると、想像するだけでちょっと立ち直れないぐらい凹むんですが、方々の編集さんとかに会うたびに、ちょっと引かれるぐらいアイマスの話してるので、多分今回もプレス入場になると……思います。それなら、自分のために抽選漏れになる人が出るリスクは避けたいんです。とにかく、1人でも多くのアイマスファンにライブを見てほしいんです。
しかし3周年ライブ、選曲どうすんですかね? 僕的には、グレパが最高に楽しかった一方、「でもやっぱり、シメに「THE IDOLM@STER」は聞きたかったよな」派なので、久しぶりに初代楽曲の数々を聞きたい。でも「バレバレバレンタイン!」はライブだと超盛り上がると思うし、「団結」とかも、なんらかの形で一度は聞いてみたい。一般的なライブの曲構成といえば20曲~25曲ぐらいだと思うんですが、アイマスの場合キャラクターのトークパートやMCの分量も多いから、曲数をみっちりってわけにはいかないでしょう。そう考えると……どう考えても足りない! こうなったらお前らあれですよ、記録的な勢いでパシフィコ埋めて追加公演ですよ! そのためにも皆さん予約してください。
そんな熾烈なライブで歌う楽曲レースの中、ほぼ確実に歌うであろうと思われるのが、L4Uの新規楽曲。最近は「Do-Dai」がかなり熱いですね。僕的には、やはり年齢層の低いチーム(やよい、伊織、美希)が素晴らしいと思います。素のかわいさだとやよい、歌詞とのマッチングも含めれば美希がよいよいです。伊織さんに関しては、なんですか、最近表現者としての釘宮さんを普通に尊敬している自分がいるのです。なので正座して見入ってしまいます。僕はやっぱりあれですね、ストイックにキャラクターと向き合ってるタイプの役者さんが好きなんだと思います。沢城さんとかね。
亜美真美は、別枠です。あれは「Do-Dai」がどうとかではなく、亜美真美歌謡として下田麻美個人が素晴らしいのだと思います。本当は年長組の「ちょっと無理してる感」もとっても愛しいのですが、この辺を書くと、なぜか悪口ととられることがあるのでやめておきます。うーん、「あずささんには公式年齢ごまかしていてほしい。むしろそこがいい」とか飲み会で言っても、いまいち「何を言ってるんだこいつは」みたいな感じなんですよね。
ちょっと語り入ります。長いです。
アイドルマスターが初めて世に出たとき、彼女たちはまだ何者でもありませんでした。僕自身も初めて出会う人たちで、唯一、釘宮さんにだけ“アルフォンス・エルリック”としてお話を伺ったことがあった気がします。AOU2004のアーケード筐体初出展。プラボ中野でのロケテスト。AOU2005で行われた初のイベント「アイドルマスター6/9」……そして9人が初めて一堂に会したのが、2005年7月の『アイドルマスター』スタートアップミーティングでした。その後、ついにアーケード版『アイドルマスター』が正式稼動。イベントや取材でアイマスの存在は知っていたものの、ゲームセンターではちょっと敷居の高さを感じていた僕がこの作品に本当の意味で出会ったのは、単なる偶然でした。モニターから流れる、如月千早の“蒼い鳥”。モニターを見つめて固まったまま、気がついたら500円を筐体に投入していました。……日夜、ゲームセンターからの呼び出しメールに応える日々の始まりでした。
ライブイベントとしてのアイマスの始まりは、2006年1月、雪の赤羽。赤羽会館での“アイドルマスターシークレットライブ”でした。キャパは600~700くらいで、参加希望者にはかなりの戦死者が。釘宮さん以外の8人が集まりましたが、当時の曲のストックはそけぞれの持ち歌+「THE IDOL M@STER」の10曲だけ。ドラマやトークパートが多めに入った、ややイベント色の強いものでした。イベント自体も手作りで、振り付けは若林直美さんが自ら担当し、メンバーにビデオで手渡していました。客席のコールやPPPHに「こういうのに憧れてた……」と、少女のように呟いていた若林さんを覚えています。終演後、若林さんは本当に精根尽き果てた様子でした。誰よりも準備にがんばって気を張っていたんだと思います。中村さんは、コメント取り用の控室に入ってくるときまでずっとモグモグモグモグモグ何かを食べてたのですが、口の中が渇いて飲み込めず、「大丈夫、出す? ティッシュいる?」と仁後さんが世話を焼いていました。今井さんはアイマスへの思い入れが溢れすぎて、コメント量が3倍ぐらいありました。智秋さんは「アイマスのアイはアイラブのアイ、愛するのアイ」「どんとこい2006」などのサムカワワードを流行らせようとしていましたが、まるで流行りませんでした。少しJPY時代には早かったようです。そういえば、この頃の下田さんの印象があまりありません。先輩たちに囲まれてコチコチになっていた新人さんが、あんな無敵な女性に育つのだから3年は短く長いです。仁後さんは、「もっと踊りたいんです!」という気持ちが溢れそうになっていました。「ドームですよ、ドーム」……それはまだ、冗談も冗談の世界でした。そういえばこの時、すでに場内アナウンスは滝田樹里さんだったんですが、まだ誰も、彼女の名前すら知りませんでした。
2006年3月。水面下で密やかに広まりつつあった『アイドルマスター』の熱が、一気に燃え上がったできごとがありました。千葉行徳のゲームセンター・アブレイズ行徳でのイベントです。今井さん、下田さん、中村さん、仁後さんの4人が、店内のイベントスペースでトークショーやゲームを行ない、さらには参加者全員に4人がそれぞれサインを行うという、今からは信じられない神イベント。なんとイベント終了までは店舗をクローズドしてイベントに専念するという熱の入れようです。しかし、悲劇が起こったのは午前5時。折悪しく雨が降りしきる中、始発が入る前になると、そこかしこの路地、漫画喫茶等から、わさ、わさ……と現れる人、人、人。ダミー列が出来、怒号が飛び交い、店長さんが頭を下げ……夜明け頃に500人を遥かに越える殺気立った集団が店舗前の道路に殺到するという、前代未聞の事態になったのでした。抽選にする道はなかったのか、事前の読みが甘かったのは否めませんが、こんなイベント、ゲームセンターの広報活動として、収支が合うはずがありません。かなりの持ち出しが合ったようで、「またイベント? 絶対無理だよ」と笑っていた店長さんを覚えています。本当に『アイドルマスター』という作品を愛してくれている人でした。僕もサイン欲しいしハイタッチしたかったです。
2006年4月には「ラジオdeアイマSHOW!」が放送開始。今井さん、中村さん、落合さんがパーソナリティのこの番組は、その後の展開の大きなターニングポイントだったと言ってもいいでしょう。一歩先んじて「THE IDOLM@STER RADIO」の放送が始まってましたが、僕は雑音だらけで初期はほとんど聴けてません; そしてラジオなどの露出が高まる中、7月23日、スタジオコーストで開催された“THE IDOLM@STER 1st ANNIVERSARY LIVE”には2000人を越える観衆が詰め掛けました。この日は、ついに9人のアイドルたち全員が集結。釘宮さんも含めた9/9が揃った記念すべき一日でした。滝田さんもドラマパートに参加! このイベントあたりからコロムビアミュージックさんが積極的に協力していたような記憶があります。この日は釘宮さんがそこにいて、9人が揃っていることが嬉しくて仕方なかったです。この頃僕は「下田さんの“とかちつくちて”とか、“みぃだれる”のこぶしがいいんだよ」とか言いまくってたんですが、あまり相手にされませんでした。あと、仁後さんが念願のダンスで重ねたトレーニングの成果を存分に発揮していたのも印象的でした。
2006年9月。今や『アイドルマスター』には欠かせない、もうひとりのアイドルが初めて登場します。東京ゲームショー2006、長谷川明子さんの初イベントです。こちらも初公開のXbox360版のごまえー映像の鮮烈過ぎる映像と共のデビューでした。トークにはまだ硬さがありましたが、Relationsを歌う姿を見て、歌唱力と演技に関しては大丈夫、信頼できると安心したものです。そして中村さんの画像チェックが「いいの選んでね」で終わったのは僕の人生最速記録でした。そして、この秋はアイマスイベントラッシュ。10月にはらじましょの公録が曳船で行われたのですが、なんとこの会場では落合さんの番組卒業を発表! 映像コメント組も、ゆりしーの卒業を知らずに喋っているという、まさに「電撃卒業」でした。「飛ぶ鳥後を“にご”さず、ということで×2」のゆりしーのフリで登場したのは、新パーソナリティの仁後さん! まだちょっと遠慮がある感じだったこの頃。1年半後、今井さん、中村さんの脱線を鉈のようにバッサリとぶった切って進行するたくましい仁後さんの姿は想像できませんでした。11月はアイマスレディオの公録。バスローブ姿も披露した智秋さんによる、JPY・サムカワ時代の幕開けでした。そういえば、最近は頻繁にイベントが行われる銀座パセラで、かなり先駆けになったイベントな気もします。
ただ……このイベントでひとつ、今でも悔いていることがあります。終了後、「今後アニメ等の新展開について聞かせてください」という質問をしたんです。あー、昔に戻ってぶん殴って止めたい。その時の微妙な空気の理由は、年明けにわかることになります…。その前夜というべき2006年12月22日には、石丸電気イベントに今井さん、中村さん、長谷川さんが登場。あとガミPもさりげなく初登場? だったんですが、この時はあんた誰ですか、という感じでした。思えば、この時の「オリコンデイリー10位報告」が、その後のアイマスCDの快進撃の最初の波だった気がします。
2007年1月。『アイドルマスター XENOGLOSSIA』の発表では、足元がガラガラと崩れていくような感覚でした。あの当時は、今のようにゲームとアニメが別個のシリーズとしてプロジェクト内で共存できる保証はどこにもなかったのです。実際、出演声優の豪華さから、アニメというパイの大きさの前にはアケ版のファンは問題にならない、と僕に言った人もいました。「全員がアニメ版を支持しても、僕は最後までこのアイマスに張り続けますよ」と言った啖呵は、冗談めかしていましたがどこまでも本気でした。坂上Pと小野田さんにインタビューした際、記事にもならないのにかなり食い下がって聞いた覚えがあります。「4月のライブが旧アイマス声優の卒業式だ」……そんなまことしやかな憶測が流れ、プロデューサーたちは安眠できる夜がなかったのです。そんな時期に潰れずに済んだのは、2007年1月末に、Xbox 360版『アイドルマスター』の発売が迫っていたからです。家庭用版『アイドルマスター』は、ゲームセンターで遊ぶのはちょっと……と考えていたユーザーを掘り起こし、360市場では大健闘と言っていいヒットとなりました。360版はDLC市場で大きな鉱脈を掘り当てると共に、「ユーザーの家庭にアイマスの絵素材がやってきたこと」は、とあるサイトの登場と共に新たな起爆剤になります。とあるサイトとはもちろん、「ニコニコ動画」。この登場するや否や、ネットユーザーと日本のネットのトラフィックのど真ん中にどっかりと座りこんだサイトで、「とかち」やアイマスは大人気になりました。僕は、ニコニコ動画はアイマスブレイクのあくまできっかけのひとつだと思います。しかし、360版の登場と時を同じくして、この新たな推進力が登場したのは、アイマスの持つ「強運」の象徴のひとつだと思います。
2007年2月はアイドルマスターとは直接関係ありませんが、今井麻美さん、中村繪里子さんのユニット「A.I.E.N」が自主イベントを開催。開演直後、銀座パセラ後方の階段で撮影のために陣取っていたら、背後に気配が。振り返ってみたらなんと中村さんで、あわてて場所を譲ろうとしたら「そのまま。」と言われ、固まったまま壁になってたのを思い出します(中村さんは後方からサプライズ登場する演出だった)。またやりたい! と無邪気に言う中村さんと、準備に奔走してしばらくいいや、という今井さんが印象的でした。また、この日のいくつかの幸運な出会いの縁がなければ、こうして僕がblogをやっていることもなかったかもしれません。
2007年4月、今から一年前。お台場・ZEPP TOKYOで、2度目となる全員参加、9/9ならぬ、滝田さんと長谷川さんを加えた11/11、「THE IDOLM@STER ALL STAR LIVE 2007」が行われました。Xbox360版の楽曲を加え、ようやくフルサイズのライブが行われるだけのストックができました。メンバー全員を揃え、この時点のライブのひとつの完成形ともいえる形だっただけに、映像化されていないのは本当に残念です。会場からの大きな「ゆりしー」コール。この日は釘宮さんが本当に楽しそうに歌い踊っていたのが印象的です。智秋さんも、Aice5ツアー、君のぞのライブを抱えながらもパフォーマンスの高さは変わらず。そしてこの日は、滝田樹里さんがステージに歌い手として立った日でもありました。
そして、2007年10月~11月に行われた「Go to the NEXTSTAGE!! THE IDOLM@STER GREAT PARTY」は、大阪BIG CATと渋谷O-EASTの計3会場のチケットを、瞬く間に(チケット販売形式により、時間こそかかりましたが)食らい尽くしました。(僕自身は、渋谷で「取材陣の皆さんも、大阪来てくれますよね?」という今井さんの質問に「もちろん行きます!」と答えてしまったがために、大阪まで自腹で行くことになったのはいい思い出です。)
コーストやZEPPといった2000人クラスの会場でのライブの成功、そしてグレートパーティのソールドアウト。10000枚越えという脅威のセールスを安定して続けたMASTER ARTIST……それらひとつひとつの実績の積み重ねが、機は熟したとの判断につながったのでしょう。
2008年7月27日、Go to the NEW STAGE! THE IDOLM@STER 3rd ANNIVERSARY LIVE。会場、パシフィコ横浜。
キャパシティ5000人は、アイドルマスターにとっても未知なる冒険です。しかしそれは、単なる一過性の話題や流行によるものではありません。僕が印象に残っているものをあげただけでも、軽く退くぐらいの長さになったアイドルマスターの歴史。これ以外にも公録などのイベントは他にもありましたし、その間に発売された数十枚のCD。アーケード版、360版、L4Uといった本編に収録された演技、歌。華々しいイベントやライブ以外にも、アイドルマスターに関わる声優さんたちは何時間、何十時間、何百時間とスタジオにこもり、レッスンに打ち込んできたのです。3年も前に発売されたアーケード作品が、幾つかの幸運な時流にも乗ってこの舞台に辿り着いたのは、ひとつの奇跡と言ってもいいでしょう。しかしそれは、彼女たちの熱意と努力の積み重ね、そして僕らが『アイドルマスター』と出会った幸運の無数な積み重ねがなければ決して辿り着くことのなかった「必然」なのだと思います。
3周年、いえ、レコーディングのスタートで言えば、あと2年は遡るでしょうか。今度のライブはそうした歴史のひとつの到達点です。しかし、タイトルにもある通り、このライブは次なるステージへの第一歩でもあります。伝説はまた、ここから始まるのです。
(ニコニコの登場時期の訂正などに合わせて、一部テキストをリライトしました。4/4 19:50)
アイドルマスターが初めて世に出たとき、彼女たちはまだ何者でもありませんでした。僕自身も初めて出会う人たちで、唯一、釘宮さんにだけ“アルフォンス・エルリック”としてお話を伺ったことがあった気がします。AOU2004のアーケード筐体初出展。プラボ中野でのロケテスト。AOU2005で行われた初のイベント「アイドルマスター6/9」……そして9人が初めて一堂に会したのが、2005年7月の『アイドルマスター』スタートアップミーティングでした。その後、ついにアーケード版『アイドルマスター』が正式稼動。イベントや取材でアイマスの存在は知っていたものの、ゲームセンターではちょっと敷居の高さを感じていた僕がこの作品に本当の意味で出会ったのは、単なる偶然でした。モニターから流れる、如月千早の“蒼い鳥”。モニターを見つめて固まったまま、気がついたら500円を筐体に投入していました。……日夜、ゲームセンターからの呼び出しメールに応える日々の始まりでした。
ライブイベントとしてのアイマスの始まりは、2006年1月、雪の赤羽。赤羽会館での“アイドルマスターシークレットライブ”でした。キャパは600~700くらいで、参加希望者にはかなりの戦死者が。釘宮さん以外の8人が集まりましたが、当時の曲のストックはそけぞれの持ち歌+「THE IDOL M@STER」の10曲だけ。ドラマやトークパートが多めに入った、ややイベント色の強いものでした。イベント自体も手作りで、振り付けは若林直美さんが自ら担当し、メンバーにビデオで手渡していました。客席のコールやPPPHに「こういうのに憧れてた……」と、少女のように呟いていた若林さんを覚えています。終演後、若林さんは本当に精根尽き果てた様子でした。誰よりも準備にがんばって気を張っていたんだと思います。中村さんは、コメント取り用の控室に入ってくるときまでずっとモグモグモグモグモグ何かを食べてたのですが、口の中が渇いて飲み込めず、「大丈夫、出す? ティッシュいる?」と仁後さんが世話を焼いていました。今井さんはアイマスへの思い入れが溢れすぎて、コメント量が3倍ぐらいありました。智秋さんは「アイマスのアイはアイラブのアイ、愛するのアイ」「どんとこい2006」などのサムカワワードを流行らせようとしていましたが、まるで流行りませんでした。少しJPY時代には早かったようです。そういえば、この頃の下田さんの印象があまりありません。先輩たちに囲まれてコチコチになっていた新人さんが、あんな無敵な女性に育つのだから3年は短く長いです。仁後さんは、「もっと踊りたいんです!」という気持ちが溢れそうになっていました。「ドームですよ、ドーム」……それはまだ、冗談も冗談の世界でした。そういえばこの時、すでに場内アナウンスは滝田樹里さんだったんですが、まだ誰も、彼女の名前すら知りませんでした。
2006年3月。水面下で密やかに広まりつつあった『アイドルマスター』の熱が、一気に燃え上がったできごとがありました。千葉行徳のゲームセンター・アブレイズ行徳でのイベントです。今井さん、下田さん、中村さん、仁後さんの4人が、店内のイベントスペースでトークショーやゲームを行ない、さらには参加者全員に4人がそれぞれサインを行うという、今からは信じられない神イベント。なんとイベント終了までは店舗をクローズドしてイベントに専念するという熱の入れようです。しかし、悲劇が起こったのは午前5時。折悪しく雨が降りしきる中、始発が入る前になると、そこかしこの路地、漫画喫茶等から、わさ、わさ……と現れる人、人、人。ダミー列が出来、怒号が飛び交い、店長さんが頭を下げ……夜明け頃に500人を遥かに越える殺気立った集団が店舗前の道路に殺到するという、前代未聞の事態になったのでした。抽選にする道はなかったのか、事前の読みが甘かったのは否めませんが、こんなイベント、ゲームセンターの広報活動として、収支が合うはずがありません。かなりの持ち出しが合ったようで、「またイベント? 絶対無理だよ」と笑っていた店長さんを覚えています。本当に『アイドルマスター』という作品を愛してくれている人でした。僕もサイン欲しいしハイタッチしたかったです。
2006年4月には「ラジオdeアイマSHOW!」が放送開始。今井さん、中村さん、落合さんがパーソナリティのこの番組は、その後の展開の大きなターニングポイントだったと言ってもいいでしょう。一歩先んじて「THE IDOLM@STER RADIO」の放送が始まってましたが、僕は雑音だらけで初期はほとんど聴けてません; そしてラジオなどの露出が高まる中、7月23日、スタジオコーストで開催された“THE IDOLM@STER 1st ANNIVERSARY LIVE”には2000人を越える観衆が詰め掛けました。この日は、ついに9人のアイドルたち全員が集結。釘宮さんも含めた9/9が揃った記念すべき一日でした。滝田さんもドラマパートに参加! このイベントあたりからコロムビアミュージックさんが積極的に協力していたような記憶があります。この日は釘宮さんがそこにいて、9人が揃っていることが嬉しくて仕方なかったです。この頃僕は「下田さんの“とかちつくちて”とか、“みぃだれる”のこぶしがいいんだよ」とか言いまくってたんですが、あまり相手にされませんでした。あと、仁後さんが念願のダンスで重ねたトレーニングの成果を存分に発揮していたのも印象的でした。
2006年9月。今や『アイドルマスター』には欠かせない、もうひとりのアイドルが初めて登場します。東京ゲームショー2006、長谷川明子さんの初イベントです。こちらも初公開のXbox360版のごまえー映像の鮮烈過ぎる映像と共のデビューでした。トークにはまだ硬さがありましたが、Relationsを歌う姿を見て、歌唱力と演技に関しては大丈夫、信頼できると安心したものです。そして中村さんの画像チェックが「いいの選んでね」で終わったのは僕の人生最速記録でした。そして、この秋はアイマスイベントラッシュ。10月にはらじましょの公録が曳船で行われたのですが、なんとこの会場では落合さんの番組卒業を発表! 映像コメント組も、ゆりしーの卒業を知らずに喋っているという、まさに「電撃卒業」でした。「飛ぶ鳥後を“にご”さず、ということで×2」のゆりしーのフリで登場したのは、新パーソナリティの仁後さん! まだちょっと遠慮がある感じだったこの頃。1年半後、今井さん、中村さんの脱線を鉈のようにバッサリとぶった切って進行するたくましい仁後さんの姿は想像できませんでした。11月はアイマスレディオの公録。バスローブ姿も披露した智秋さんによる、JPY・サムカワ時代の幕開けでした。そういえば、最近は頻繁にイベントが行われる銀座パセラで、かなり先駆けになったイベントな気もします。
ただ……このイベントでひとつ、今でも悔いていることがあります。終了後、「今後アニメ等の新展開について聞かせてください」という質問をしたんです。あー、昔に戻ってぶん殴って止めたい。その時の微妙な空気の理由は、年明けにわかることになります…。その前夜というべき2006年12月22日には、石丸電気イベントに今井さん、中村さん、長谷川さんが登場。あとガミPもさりげなく初登場? だったんですが、この時はあんた誰ですか、という感じでした。思えば、この時の「オリコンデイリー10位報告」が、その後のアイマスCDの快進撃の最初の波だった気がします。
2007年1月。『アイドルマスター XENOGLOSSIA』の発表では、足元がガラガラと崩れていくような感覚でした。あの当時は、今のようにゲームとアニメが別個のシリーズとしてプロジェクト内で共存できる保証はどこにもなかったのです。実際、出演声優の豪華さから、アニメというパイの大きさの前にはアケ版のファンは問題にならない、と僕に言った人もいました。「全員がアニメ版を支持しても、僕は最後までこのアイマスに張り続けますよ」と言った啖呵は、冗談めかしていましたがどこまでも本気でした。坂上Pと小野田さんにインタビューした際、記事にもならないのにかなり食い下がって聞いた覚えがあります。「4月のライブが旧アイマス声優の卒業式だ」……そんなまことしやかな憶測が流れ、プロデューサーたちは安眠できる夜がなかったのです。そんな時期に潰れずに済んだのは、2007年1月末に、Xbox 360版『アイドルマスター』の発売が迫っていたからです。家庭用版『アイドルマスター』は、ゲームセンターで遊ぶのはちょっと……と考えていたユーザーを掘り起こし、360市場では大健闘と言っていいヒットとなりました。360版はDLC市場で大きな鉱脈を掘り当てると共に、「ユーザーの家庭にアイマスの絵素材がやってきたこと」は、とあるサイトの登場と共に新たな起爆剤になります。とあるサイトとはもちろん、「ニコニコ動画」。この登場するや否や、ネットユーザーと日本のネットのトラフィックのど真ん中にどっかりと座りこんだサイトで、「とかち」やアイマスは大人気になりました。僕は、ニコニコ動画はアイマスブレイクのあくまできっかけのひとつだと思います。しかし、360版の登場と時を同じくして、この新たな推進力が登場したのは、アイマスの持つ「強運」の象徴のひとつだと思います。
2007年2月はアイドルマスターとは直接関係ありませんが、今井麻美さん、中村繪里子さんのユニット「A.I.E.N」が自主イベントを開催。開演直後、銀座パセラ後方の階段で撮影のために陣取っていたら、背後に気配が。振り返ってみたらなんと中村さんで、あわてて場所を譲ろうとしたら「そのまま。」と言われ、固まったまま壁になってたのを思い出します(中村さんは後方からサプライズ登場する演出だった)。またやりたい! と無邪気に言う中村さんと、準備に奔走してしばらくいいや、という今井さんが印象的でした。また、この日のいくつかの幸運な出会いの縁がなければ、こうして僕がblogをやっていることもなかったかもしれません。
2007年4月、今から一年前。お台場・ZEPP TOKYOで、2度目となる全員参加、9/9ならぬ、滝田さんと長谷川さんを加えた11/11、「THE IDOLM@STER ALL STAR LIVE 2007」が行われました。Xbox360版の楽曲を加え、ようやくフルサイズのライブが行われるだけのストックができました。メンバー全員を揃え、この時点のライブのひとつの完成形ともいえる形だっただけに、映像化されていないのは本当に残念です。会場からの大きな「ゆりしー」コール。この日は釘宮さんが本当に楽しそうに歌い踊っていたのが印象的です。智秋さんも、Aice5ツアー、君のぞのライブを抱えながらもパフォーマンスの高さは変わらず。そしてこの日は、滝田樹里さんがステージに歌い手として立った日でもありました。
そして、2007年10月~11月に行われた「Go to the NEXTSTAGE!! THE IDOLM@STER GREAT PARTY」は、大阪BIG CATと渋谷O-EASTの計3会場のチケットを、瞬く間に(チケット販売形式により、時間こそかかりましたが)食らい尽くしました。(僕自身は、渋谷で「取材陣の皆さんも、大阪来てくれますよね?」という今井さんの質問に「もちろん行きます!」と答えてしまったがために、大阪まで自腹で行くことになったのはいい思い出です。)
コーストやZEPPといった2000人クラスの会場でのライブの成功、そしてグレートパーティのソールドアウト。10000枚越えという脅威のセールスを安定して続けたMASTER ARTIST……それらひとつひとつの実績の積み重ねが、機は熟したとの判断につながったのでしょう。
2008年7月27日、Go to the NEW STAGE! THE IDOLM@STER 3rd ANNIVERSARY LIVE。会場、パシフィコ横浜。
キャパシティ5000人は、アイドルマスターにとっても未知なる冒険です。しかしそれは、単なる一過性の話題や流行によるものではありません。僕が印象に残っているものをあげただけでも、軽く退くぐらいの長さになったアイドルマスターの歴史。これ以外にも公録などのイベントは他にもありましたし、その間に発売された数十枚のCD。アーケード版、360版、L4Uといった本編に収録された演技、歌。華々しいイベントやライブ以外にも、アイドルマスターに関わる声優さんたちは何時間、何十時間、何百時間とスタジオにこもり、レッスンに打ち込んできたのです。3年も前に発売されたアーケード作品が、幾つかの幸運な時流にも乗ってこの舞台に辿り着いたのは、ひとつの奇跡と言ってもいいでしょう。しかしそれは、彼女たちの熱意と努力の積み重ね、そして僕らが『アイドルマスター』と出会った幸運の無数な積み重ねがなければ決して辿り着くことのなかった「必然」なのだと思います。
3周年、いえ、レコーディングのスタートで言えば、あと2年は遡るでしょうか。今度のライブはそうした歴史のひとつの到達点です。しかし、タイトルにもある通り、このライブは次なるステージへの第一歩でもあります。伝説はまた、ここから始まるのです。
(ニコニコの登場時期の訂正などに合わせて、一部テキストをリライトしました。4/4 19:50)