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2025/10/13 02:40 |
スレイヤーズという時代
 7月から『スレイヤーズREVOLUTION』が始まります。現在30前後の世代にとっては、これはなかなかのビッグニュースです。しかし若い世代からすると、90年代に人気だったライトノベル発のアニメ…と認識はしていても、時代を共有していない世代の人にはなかなかピンと来ないかもしれません。同じ林原めぐみさんがヒロインを務める作品でも、エヴァと比べると認知度はかなり落ちるでしょう。内容も、それほどとんがった作品ではありません。では何が特別だったかといえば、今では“当たり前”になっている扉を幾つも開いた作品だったんです。

 スレイヤーズは、1989年に創設された「ファンタジア長編小説大賞」の第1回準入選作品です(第1回は大賞は出ていません)。ライトノベル界の御三家といっていい「角川スニーカー」「電撃」「富士見ファンタジア」ですが、その中でも最古の小説賞の最初の受賞作品なわけです。その最初のアニメ化は、1995年のことでした。黎明期のライトノベルアニメ化に関しては、角川スニーカー文庫が一歩先んじており、1990年~1991年のOVA『ロードス島戦記』、1993年のOVA『フォーチュンクエスト』、1991年~1995年に劇場版・OVAで展開された『アルスラーン戦記』などの例があります。これらスニーカー文庫3作に、1992年に劇場映画化された富士見ファンタジア文庫の『風の大陸』を加えた4作品を、90年代前半の角川は(ラノベの中では)強く推していた気がします。

 この頃の従来のラノベは、今よりもずっと固く、いい言い方ではないかもしれませんが、“本格的な”小説でした(『魔獣戦士ルナ・ヴァルガー』のような大問題作もありましたが)。そして見れば分かる通り、90年代前半のラノベのアニメ化は、OVAや劇場版ばかりです。『機動警察パトレイバー』などで確立された、「コンテンツの映像そのものをビデオパッケージにし、マニア層に販売する」というフォーマット上でのビジネスです。ラノベ発の作品は、あくまでもマニア向けのニッチな作品でした。

 そうした環境を激変させたのが、『スレイヤーズ』だったのです。“ラノベらしい正統派ラノベ作品。主人公は美少女だが、女子も楽しめる明るく楽しい作風”という、それまでにありそうでなかった作品性が大受け。弱小のテレビ東京が、金曜の18時30分からの時間帯で視聴率10%近くをコンスタントに叩き出すのは、まさに脅威でした。このヒットを受け、前述のOVA・劇場版化されていた作品が、97年~98年頃に、次々とTVアニメにリメイクされ、スマッシュヒットを続けました。『スレイヤーズ』の最大の功績…それは、「ラノベのアニメ化作品は、地上波でもビジネスになる」ことを広く知らしめたことなのです。当時、人気アニメの企画が小説に落とし込まれることはあっても、ヒットしたラノベがアニメに…なんてルートはありませんでした。今ではギャルゲ、エロゲにいたるまでが供給源になっていますが、ラノベにTVアニメ化の道を開いたのは、『スレイヤーズ』といっても過言ではありません。あのヒットが無ければ、ハルヒもわっちもふもっふもかのこんもバッカーノも図書館戦争もなーんにもなかったかもしれない…そう思うと、ちょっと特別な作品に思えてきます。もちろん、道を開くだけでなく、『スレイヤーズ』は快進撃を続けます。

スレイヤーズ(1995年4月~9月・TVアニメ)
劇場版スレイヤーズ(1995年夏・劇場版)
スレイヤーズEX.(1995年10月~4月・ラジオドラマ)
スレイヤーズNEXT(1996年4月~9月・TVアニメ)
スレイヤーズRETURN(1996年夏・劇場版)
スレイヤーズN・EX.(1996年10月~4月・ラジオドラマ
スレイヤーズすぺしゃる(1996年7月~1997年5月・OVA)
スレイヤーズTRY(1997年4月~9月・TVアニメ)
スレイヤーズぐれえと(1997年夏・劇場版)
スレイヤーズごぅじゃす(1998年夏・劇場版)
スレイヤーズえくせれんと(1998年10月~1999年3月・OVA)
スレイヤーズぷれみあむ(2001年冬・劇場版)

これだけ制作されたんですから、笑いが止まらないぐらい儲かったのは間違いないでしょう。また、最近のファンの人には林原さんといえば、「綾波の人でしょ」ですんでしまうと思うのですが、当時の林原人気は異常でした。アニメージュのアニメグランプリで声優部門を1989年から2001年まで連覇、アルバム「iravati」売り上げが27万枚とされてますが、最終的には40万枚を超えた、なんて話もあります。上記のスレイヤーズ系の作品でもほとんどで主題歌を担当し、これまた売れまくってるわけです。そうした時代を担った声優にとってのあの頃の「代表作」は何かと考えると、僕はエヴァよりもスレイヤーズなんじゃないかな、と思います。

そういう作品が、10年ぶりに帰ってくるのです。
懐かしさ半分、今の自分の目にどう映るかの興味半分だとは思いますが。
おっさんたちのテンションが上がりがちな理由、おわかり頂けたでしょうか。

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あ、そうそう。
今月のアニメージュのネットにまつわるコラムコーナーで、「銀河の歌姫が現実になった日。」というテキストを書きました。機会があれば、ぜひ。
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2008/06/11 05:53 | Comments(30) | TrackBack() | 雑記(アニメ系)
声優・役者のカメラ適応能力
 『ハヤテのごとく』の今週号掲載分で、「不意にカメラを向けられた時にも、ばっちりポーズまで決めてしまうマリア」というネタがありました。これを見て、「あー、あるある」と思ったので、アニメ・声優業界のカメラ適応能力についてちょっと書いてみようと思います。

 この、「向けられたカメラに反応する能力・感覚」というのは、当たり前の話ですが、視線やカメラを向けられることに慣れていないと磨かれません。僕はライターですが、一緒に写真を撮ってくるように頼まれることも多いです。ファインダー越しに見ていて感じるのは、こういう「視線」や「カメラ」に鋭敏なのは、舞台経験が豊富な人に多い特徴な気がします。会見中にカメラを何気なく向けて、バッチリこちらに視線が向いているな……と感じる人でまず思い浮かぶのが、横山智佐さん、富沢美智恵さんのサクラ大戦コンビ。なんとなく、横山さんは「見られ、撮られ続けた経験値」、富沢さんは「たゆまぬ訓練の結果」て雰囲気を感じるのですが、いずれにしても10年以上キャラクターとして舞台を踏んできた人たちならではでしょう。同じような感覚を、『ミュージカルギャラクシーエンジェル』蘭花役などネルケ舞台でおなじみ、小出由華さんからも感じた覚えがあります。

 一方、それとは別のベクトルで、写真写りに隙のない人種がいます。キャラクター作りがしっかりしているアイドルタイプの人がそれで、その完成形がゆうこりんこと小倉優子さんです。とにかく、報道陣の前に出ている間は、常に完璧に「ゆうこりん」なんです。高度に計算された立ち居振る舞いと修練を重ねたキャラクターが条件反射レベルで染み付いてるので、どの角度、どのタイミングで撮影しても金太郎飴のようにゆうこりん。あれにはもはや感服するしかないというか、どのタイミング、どのカメラで抜かれても一定のクオリティを求められる映像メディアの人ならではなんでしょうね。

 そういうタイプの人は、声優業界にはいないのでしょうか。実は一人だけ、「カメラ大好き、向けられたカメラに反応する超反射」と「どのタイミングで撮っても安定したクオリティ」の両属性を併せ持ったキラキラモンスターがいます。それが、「ファンの前でスポットライトを浴びた堀江由衣さん」です。浅野さんの「ほっちゃんは普段はゆりえほいちゃん」というのはすごく本質を突いた言葉だと思うんですが、囲み取材などで大勢の取材陣を前にした堀江さんは、どちらかといえば控えめな普通の(超かわいい)女性です。ところが、一度ファンの歓声とスポットライトを浴びると、「バチン!」とスイッチが入るんです。無敵モードに入った堀江さんは、どの角度で撮っても外れがありませんし、種われモードのキラ君のように的確にカメラに視線を飛ばしてくれます。いわゆる半目状態もほとんどなく、おそらくステージ中は瞬きの回数自体減ってるんじゃないかと思います。ステージ上の堀江さんを見ていると、この人はアイドルになるために生まれてきたんだな、とつくづく思うのです。

 一方、役者肌の人の中には、「楽しくもないのに笑えるか」という人も、当然います。僕自身、男女で一人づつ、「一度でいいからこの人の自然な笑顔を撮ってみたい」という人がいるのですが、こちらの名前は伏せておくことにします。プロのカメラマンの人って、撮影のスキルだけでなく、被写体をほぐすのもうまいんですよね。ひきこもりの僕は、ああいうのはかなり憧れます。

2008/05/30 18:31 | Comments(0) | TrackBack() | 雑記(アニメ系)
ゆりしー秋葉原戦線偵察隊
 いよいよゆりしーの12ヶ月連続マキシシングル第1弾“wish”の発売日がやってきました。秋葉原を見れば声優系CDの状況はある程度見える……ということで、秋葉原主要各店の様子を偵察してきました。

●とらのあな秋葉原本店
1階新譜コーナーに3枚分面陳列。スペース的にはなかなかの扱い。隣はギャグマンガ日和主題歌集。1ゆりしー=1.5うえだゆうじ。スタンプラリーをやっており、12枚完走するとブロマイドホルダーがもらえる模様。売場全体では、空の境界や狼の香辛料のコーナーに混じって榊原ゆいにゃん大プッシュコーナーが出現。例の騒ぎに対し、俺はゆいにゃんの味方だぜ、という声が聞こえてくるよう。キャラソンも並ぶはDVD流すはで、1ゆいにゃん=12ゆりしーぐらい。

●アニメイト
6階声優CDコーナーで、入口寄りの好位置に棚一列もらう。初回盤24枚、通常盤6枚。同じくらいの扱いは、新谷さんの紅EDと、スマイリースパイキー。1ゆりしー=1バンビポップ。マクロスFコンビは平台でコーナー展開で別格。

●ソフマップCD館
3階アニメコーナーではなく、2階のアイマスコーナーでファミソンと並べるあたりがうまい。展示自体はごく普通。しかし、坂本真綾はごく普通に1階JPOPコーナーにあるのだった。店頭ヘビーローテーションはKOTOKO。

●石丸SOFT2
アニメフロアは強烈なマクロスF推し。大型モニターにパネル3枚ポスターたくさんヒロイン2人のサイン入り。ゆりしーはちょっと低い位置で当店のおすすめつき。新谷さんは目線の高さだったので、1ゆりしー=0.8バンビポップ。作品レベルではメイドガイが一等地に。

●ヨドバシカメラ
実は枚数だけなら一番多い30枚強。ただし3枚幅にさしてあるだけ。作品としてはメイドガイ推し。

●タワーレコード
ゆりしー反応なし。未だに平野綾のいち押しが冒険でしょでしょというやる気のなさ。興味もない店員がなんとかポップをひねりだしたのは菅野よう子とタイナカサチ。わかりやすいです。秀逸だったのはエヴァポップ。“エヴァをただのアニメだとまだ思ってるんですか? あれはヒューマンドラマです!”。死ねばいいと思いました。

●ゲーマーズ本店
1階は水樹さんが目立つぐらいで、他は新谷さんや新でじこたちがちょろちょろ。さすがお膝元。3階の声優コーナーは水樹さん、堀江さん、ゆかり姫、ツンデレという名の釘宮コーナー、アイマスコーナーなどに比べると、ゆりしーは声優「お」の棚に2枚ささってるだけと寂しい限り。とぼとぼ帰ろうとしていると……なんと2階の新譜フロアに、大ゆりしーコーナーが! 1枚ずつですが棚全体を使った18枚面陳列棚+モニター+ポスター+ポストカード! 場所的には堀江さんのクリスマスDVDの方がいいですが、ディスプレイ的には一番力入ってきます。森から出てきたエルフ風ゆりしーが20人以上こっちを見てるのはちょっと怖いぐらい壮観なので、話の種にぜひ見てください。

総括すると、ディスプレイで一番がんばっていたのがゲーマーズ、特典ならとらのあな、という印象。秋葉原全体ではマクロスFが未だ強く、新作ならメイドガイとKOTOKOさんが頭一つ抜けてる感じ。秋葉原におけるゆりしーのライバルは新谷良子さんあたりで、売り場としては2000枚ぐらい出るアーティストの扱いに見えました。通常盤は全体の2割以下しか見ない印象なので、両方ほしい人、お金がない人は早めに押さえましょう。

そんな感じのゆりしーCD発売日でした。


2008/05/28 17:54 | Comments(1) | TrackBack() | 雑記(アニメ系)

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